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快進撃のトランプ氏「13指標」で見た再選の現実味 過去の大統領選を的中、リットマン氏に聞く

東洋経済オンライン / 2024年2月28日 9時0分

反イスラエルの抗議デモはそこまで行っていない。今後、変わる可能性もあるが、今のところ、バイデン大統領に不利な状況ではない。

バイデン大統領のスキャンダルは今のところないが…

――「⑨大きなスキャンダルがない」についてはどうですか。共和党が制する下院はバイデン大統領を弾劾すべく、その一環として、大統領の次男ハンター・バイデン氏を税金の滞納などの疑惑で追及しています。

野党・共和党はバイデン大統領にスキャンダルを負わせようと動いているが、うまくいっていない。現時点で⑨は「真実(イエス)」であり、バイデン大統領に有利なのは確かだ。とはいえ、今後、共和党がスキャンダルを見つける可能性もあるため、まだ断定はできない。

――今年1月初め、バイデン大統領がロイド・オースティン国防長官の入院を数日間、知らされなかったことや、同長官の健康不安はスキャンダルになりうるでしょうか。そうした懸念を示すアメリカの専門家もいます。

オースティン国防長官の一件はマイナーな問題だ。⑨でいう「スキャンダル」は、国家に甚大な影響を及ぼすような主要なスキャンダルのことだ。国防長官の一件は、バイデン大統領に不利に働くようなレベルのものではない。

「⑩外交・軍事政策で大きな失敗がない」は、中東やロシア・ウクライナ戦争といった、大規模な外交・軍事問題で失敗を犯すことを指す。

――2021年8月30日に行われたアメリカ軍のアフガニスタン撤退について、アメリカのメディアは「準備不足」などとさかんに批判しました。これは外交・軍事上の大きな失策ではないのでしょうか。過激派組織「イスラム国」(IS)系の組織による自爆テロで、多くのアフガン市民が犠牲になり、アメリカ軍にも複数の死者が出ました。

失敗どころか、アフガン撤退は大きな成功だった。これまでのアメリカ軍の撤退のなかで、最大の成功と言ってもいい。確かに犠牲者は出たが、自爆テロは防ぎようがない。それにもかかわらず、米メディアは、「撤退は失敗だった」と喧伝した。

だが、世間は、もはやアフガン撤退問題など覚えていない。共和党予備選のテレビ討論会でさえ、アフガン撤退問題を持ちだす候補者などいなかった。アフガン撤退問題の報道は、私が覚えているかぎり、アメリカのメディア史における最も恥ずべき出来事の1つだ。アフガン撤退という問題の本質をないがしろにする、とんでもない報道ぶりだった。

ベトナム戦争を思い出してほしい。1970年代に行われた同戦争からの撤退(や脱出)のほうが、はるかにひどいものだった。しかも、アメリカ人はアフガン撤退を支持していた。世間に悪いイメージが植え付けられたのは、アメリカのメディアの報道によるところが大きい。何より世間の関心は中東やウクライナに移っている。

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