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花粉症に悩む人も意外と知らない「正しい」対策 窓全開・1時間換気1000万個の花粉が流入?

東洋経済オンライン / 2024年2月29日 7時50分

また、住宅の換気の仕方としては、排気も給気も機械(ファン)を用いて換気する「第1種換気」と、排気のみ機械を用いる(給気は自然給気)「第3種換気」がある。第3種換気のほうが費用を抑えられるが、すべての居室に給気口を設置するため、外気の暑さ寒さによって室温が左右されやすい。

一方、第1種換気は費用が高くなるが、たとえば、一定の室温を保ちやすい「熱交換器」を取り付けることも可能になる。熱交換器に花粉フィルターを取り付けたり、居室の換気口に花粉フィルターを付けたりすれば、外気を取り込む際に花粉を除去することが可能だ。

なお、シックハウス対策として2023年に建築基準法が改正され、新築の住宅には「24時間換気システム」が義務づけられている。24時間換気システムによって、住宅は常に換気され、居住空間の空気を2時間で全て入れ換えるようになっている。

後からできる対策も

筆者が住むマンションには、換気口に花粉フィルターなどが付いていない。それでも、寝室には花粉を入れたくないので、寝室の換気口に花粉フィルター付きのカバーを後付けした。

ただし、住宅業界の知人からは、その換気口からの換気量が前より減る可能性があると指摘された。住宅全体の換気計画についても考慮する必要があるのだという。

筆者はさらに、サッシの網戸に網目の細かい花粉フィルターを付けた。透過性などが少し悪くなるが、花粉シーズンに窓を開けることもあるので、そのときの用心にと思っている。

なお、エアコンについては、その多くが室内の空気を吸い込んで暖めて(夏は冷やして)室内に戻すので、外の空気を取り込むことはない。ただし、室内にある花粉はエアコンに入るので花粉フィルターは有効だ。花粉除去機能のある空気清浄機も使用すれば、効果が期待できるだろう。

さて、国民病でもある花粉症については、病のもとを断つことも課題だ。政府は、国内の杉をたくさん使って、花粉の少ない杉に植え替えるなどの政策を推し進めている。住宅業界でも木材の利用を積極的に進めている。ただ、これには時間を要する。

したがって、それぞれの家庭の事情に応じた、効果的な花粉症の対策を講じていくということになるだろう。

山本 久美子:住宅ジャーナリスト

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