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セブン、そごう・西武に続きヨーカ堂売却を検討 売却先として名前が浮上する投資ファンド2社

東洋経済オンライン / 2024年2月29日 7時0分

イトーヨーカ堂の投資ファンドへの売却が検討されている(編集部撮影)

ついに祖業に手をつけるのか──。

【写真】改革が進んでいない中で、イトーヨーカ堂の株式上場は難しいと判断されたようだ

セブン&アイ・ホールディングスが、傘下の百貨店そごう・西武に続いて、祖業であるイトーヨーカ堂についても売却を含めた抜本的な改革の検討を始めていることが関係者への取材でわかった。すでに売却先として、2つの投資ファンドが俎上に載せられている。

セブン&アイは2023年9月、そごう・西武をアメリカの投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループに売却した。しかし、複数のアクティビスト(物言う株主)から「スピンオフ(分離・独立)すべき」と迫られていたイトーヨーカ堂については傘下に置いたままで、懸案として残っていた。

改革に乗り出すが売却も検討

セブン&アイもイトーヨーカ堂の改革が進んでいないことに対する危機感は抱いている。2023年3月には、自前の衣料品から撤退して「食」に集中する戦略を打ち出し、インフラの整備を進めたり傘下の食品スーパーと合併させたりしている。

2024年に入っても、1月に45歳以上の正社員を対象とした早期退職の希望者を募ったほか、夏までに本社を東京・四ツ谷から大森に移転させる計画だ。そして北海道、東北、信越地方の17店については地場のスーパーチェーンに譲渡するなどし、撤退する方針も打ち出している。

しかし、こうした施策はあくまでコスト削減がメイン。イトーヨーカ堂は2026年2月期までの黒字化を目指しているが、リストラしながら成長するのはいかにも厳しい。セブン&アイにとっても、イトーヨーカ堂の資産がROA(総資産利益率)向上の足かせになっている。

そのためセブン&アイの経営陣は、そごう・西武の売却を終えたことを受けて、イトーヨーカ堂についても売却を選択肢に入れた抜本的な改革策について検討を始めたもようだ。

事情に詳しい関係者によれば、セブン&アイの経営陣は当初、イトーヨーカ堂を株式上場させることについて検討していたという。しかし、「改革が進んでいない中ではエクイティストーリーを描くことができず、上場は難しい」として売却を模索し始めた。

セブン&アイは売却先として、「ライバルであるイオングループと、(ドン・キホーテを展開する)パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスだけはノーだ」(セブン&アイ関係者)と主張。そこで浮上しているのが、いずれも投資ファンドである日本企業成長投資とアメリカのKKRだ。

伊藤順朗氏の右腕がパートナーのファンド

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