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飼い犬に「狂犬病ワクチン」、日本でどこまで必要か 海外渡航前に知っておきたい"人間のワクチン"

東洋経済オンライン / 2024年3月1日 10時30分

狂犬病が国内に侵入しないよう、さまざまなルールも定められている。海外から動物を日本国内に持ち込むには、動物検疫の手続きが必要だ。日本政府が認めた清浄国以外の国から動物を連れてくる場合、最長で180日間は係留施設に預ける必要がある。何ら病気がないことが確認されるまで、ペットは家に帰ることができないのだ。

いつでも国内に狂犬病は侵入しうる

ただし、動物検疫を実施していても、抜け穴はある。日本に寄港した外国船から、中で飼われている犬が上陸することもあるだろう。また、貨物船のコンテナにコウモリが潜んでいた事例も報告されている。コウモリは狂犬病ウイルスに感染していても発病しないため、ウイルスの運び屋になりうることが知られている。常に目を光らせていなければ、狂犬病はいつでも日本国内に侵入しうるのだ。

日本では、前述のように犬に対する狂犬病ワクチン接種が義務づけられている。しかし、アメリカでは州によって規則が異なり、必ずしも接種を義務づけていない。イギリスやフランス、ドイツも義務ではない。ただし、外国から犬を連れて行く場合は、狂犬病ワクチンが打ってあり、有効な抗体価に達していることの証明が求められる。

日本は狂犬病に関して、非常に厳しい対応をしていると言える。我が家のワンコも、注射に行くと震えるので、可哀想だし、できれば打ちたくない。しかし、狂犬病が国内で発生した際の対応を考えると、やはり打っておこうと思う。

狂犬病清浄国以外の国で犬や動物にかまれた場合、狂犬病と破傷風感染を考え、発病を防ぐ必要がある。曝露後予防(PEP : Post Exposure Prophylaxis)と呼ぶ。

破傷風(全ての国で)PEP
① 小児期の接種スケジュールが完遂しているか、過去に3回接種が済んでいる人では、破傷風ワクチンの接種から5年以内であれば追加接種は不要。5年以上経っている場合は1回接種。
② 接種歴が不明、もしくは回数が足りていない人では、破傷風ワクチン接種を3回接種。

狂犬病(清浄国以外)PEP
① かんだ動物が狂犬病ワクチン接種を受けていれば感染の恐れはない。
② かんだ動物を見失った、または狂犬病ワクチン接種歴が不明の場合、即日医療機関を受診し、ワクチン接種を開始すべき。当日、3日後、7日後、14日後、28日後の5回接種ないし、28日後を省いた4回接種がスタンダードだ。飼い犬などで、その動物が10日経っても普段と同じように生きていれば、感染の恐れなし、として途中で接種スケジュールを中断してよい。

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