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地震大国の日本、今の「住まい」で確認すべきこと 戸建て、マンション、賃貸それぞれの対策とは

東洋経済オンライン / 2024年3月2日 10時30分

また簡易的ではあるが、『誰でもできるわが家の耐震診断』(監修:国土交通省住宅局:一般財団法人日本建築防災協会)を活用し、住まいの状態をシミュレーションしてみるのもいいだろう。

賃貸アパートなどにお住まいの方も同様だ。やはり旧耐震の場合は、倒壊のリスクが高いため、可能であれば2000年以降に建てられた物件を探すよう推奨したい。

また、過去の震災では、賃貸アパートでは、1階部分が倒壊するケースも多数見られた。耐震性が低い賃貸アパートであれば、1階ではなく2階に住むのも一案と言えよう。

マンションでは原則在宅避難を念頭に

ではマンションに居住する場合は、どのような防災対策が必要になるのだろうか。

まず「倒壊」に関しては、木造住宅よりリスクが少ないとされているため、基本的には「在宅避難」が前提となる。

マンション特有の事情として考えられるのは、エレベーターが停止するリスクだ。停電などで緊急停止した場合、中に閉じ込められてしまうおそれがある。

したがって、中高層の階から地上に避難する場合には非常階段を使い、落ち着いて避難するよう心がけたい。停電に加え断水、断ガスが長引く可能性もある。マンションでの在宅避難を実施するため、「自助」だけで1週間は持ちこたえられるよう準備が必要だ。

加えて「地震」と言えば何より「火を消す」と認識している方も多いだろう。しかし大きな揺れのある間は、熱湯や油がかかり大やけどを負ってしまうリスクがある。

近年、ガスコンロやストーブなどの火災対策が進み、揺れや転倒などで自動的に消火するしくみになっているものも多い。安全を最優先に危険の多いキッチンからいったん離れることが大切だ。家具・家電などの転倒・落下防止対策にも留意し、ケガのないような対応を行っておこう。

このほか、マンション内の排水管の損傷などのおそれがあるため、正確な状況確認ができるまでトイレを使わないよう気をつけたい。マンホールトイレの準備があっても、そもそも階下まで頻繁に下りられない場合がある。大量の水を使用しなければならないこともあり、安易に頼りすぎないようにしたい。

各管理組合でマンションの防災マニュアルを作成している場合も、在宅避難を前提とする必要がある。マニュアルに記載されることの多い避難訓練なども「在宅」が前提なら、実施しなくても問題ない。

さらに、災害発生時が日中なら、大方の住人は会社に出勤している可能性も高い。災害対策本部をあらかじめ設定しておいたとしても機能しないかもしれない。いつ何時、被災してもマンションにいる方々だけでできる対策を講じておく必要がある。

「自助」の精神を忘れずに

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