「スニーカーブーム」終焉もデニムは今も高い理由 価格は、投資的な様々な要素から形成される
東洋経済オンライン / 2024年3月3日 15時0分
裏原宿で25年以上、ストリートカルチャーの栄枯盛衰を誰よりも見てきたスニーカーショップ「atmos」創設者で元「Foot Locker atmos Japan」最高経営責任者の本明秀文氏。“スニーカー投資は実際に儲かるのか?” を忖度なしで解説します。
※本稿は、『スニーカー学 atmos創設者が振り返るシーンの栄枯盛衰』(本明秀文著)の一部を再編集したものです。
スニーカーの価値は急落したのにヴィンテージデニムが高止まりする理由
スニーカーをはじめとした投資的商品の多くは金融緩和による金余りの市場によって高騰し、その後の金利引き上げによって価値が暴落しました。
ただし、定価を易々と下回るようなスニーカーの下落ぶりに比べて、同じく高付加価値の投資的商品として扱われていたヴィンテージデニムや「ロレックス」の下落幅は比較的ゆるやかです。また、実際にそれらを資産として保有しているコレクターたちも将来的な価値に関しては楽観的な予測をしています。
では、なぜ同じ投資的側面を持つ高付加価値商品だったにもかかわらず、スニーカーとヴィンテージデニムでは大きな違いが生まれたのでしょうか。
それはまず、市場に出回る製品の数量の違いが挙げられます。ヴィンテージデニムはかつて大量生産されたものですが、そのほとんどが日常生活のなかで使い潰されており、現存する個体はごくわずか。そのため、欲しい人たちは大金を払ってでも手に入れようとする動機が生まれます。
同様に「ロレックス」も工芸品に近い存在のため製造数には限りがあります。そのため相場が下落したと言ってもいまだにデイトナをはじめとした人気モデルは「ロレックス」の店を訪れても一見の顧客が手に入れることはできず、他の時計を何本も購入して常連客になるか、百貨店の外商経由で購入するか、あるい2次流通市場でプレ値で購入するか、という選択肢しかありません。
つまり生産数そのものに限りがあるため、需要が供給を上回っている限り定価を割ることはない、と言えます。
一方でスニーカーは大量生産品です。需要の高まりに合わせて供給量を増やしていくことが可能であり、実際にスニーカーメーカーはブームに乗って生産数を大幅に増やしました。欲しい人は誰でも手に入れることができるまで生産量が増えた結果、スニーカーの価値は下落していきました。
さらに、製品寿命の長さも関係しています。ヴィンテージデニムは1900年代初頭に作られたものでも現存していますし、戦前に作られたものでも今なお穿くことができます。仮にぼろぼろの端切れだけになったとしてもデザイナーたちや古布(こふ)マニアがこぞって欲しがるほど資料的価値を有しています。
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