1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

寿命を延ばそうと糖質制限する人の"落とし穴" 長寿遺伝子サーチュインは活性化するが…

東洋経済オンライン / 2024年3月3日 11時30分

しかし、カロリー制限した場合は、体内に吸収された栄養素は細胞内で燃焼されず細胞の成分として合成されてしまいます。そのため、当然体温は上昇しません。 このように、カロリー制限は免疫システムの低下をもたらし、感染症のリスクを上昇させてしまいます。風邪程度の感染であれば大きな問題はありませんが、がんを引き起こすウイルスや直接死を招くような感染であれば、結果的に寿命を縮めることになってしまいます。

栄養失調に至るようなカロリー制限は感染症のリスクを引き起こし、寿命延長どころか死を招いてしまう可能性があります。ダイエットや健康目的でカロリー制限や絶食を行う人がいますが、この行為も同じ理由でおすすめできません。

糖質制限は効果がある?

読者の中には、糖質制限に興味を持っている人もいるのではないでしょうか? 糖質制限は、低炭水化物ダイエットまたはケトジェニックダイエットとよばれることがあり、その潜在的な健康上の利点により人気を集めています。

例えば、炭水化物を制限すると、主に全体的なカロリー摂取量が減少するため、体重減少につながる可能性があります。また、炭水化物を制限することで、体は貯蔵された脂肪をエネルギーとして燃焼するよう促され、その結果、体重が減少します。

さらに、炭水化物制限は特にインスリン抵抗性の糖尿病の人にとっても有益です。炭水化物の摂取を最小限に抑えると血糖値が安定する傾向があり、インスリンやその他の血糖降下薬の必要性が減少します。

当然、糖質制限は摂取カロリーの減少にもつながりますので、サーチュインの活性化を誘導します。その結果、寿命が延びる可能性があります。

このように、糖質制限は一見素晴らしい食事法に思えます。しかし、カロリー制限と同様糖質制限も私はあまりおすすめしません。

糖質制限には多くの欠点もあることが知られています。例えば、糖質制限をすると食物繊維、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質の重要な供給源である果物、全粒穀物、豆類などの特定の栄養価の高い食品の摂取量が減少してしまう結果につながります。糖質の多い食品である果物や穀類を食べないことは、糖質以外の必要な栄養成分を摂取しないことにつながってしまうのです。このように、食事方法として適切に管理されずに糖質制限食を実施すると、これらの必須栄養素の欠乏のリスクを高める可能性があります。

全粒穀物、果物、豆類などの多くの高炭水化物食品は、食物繊維の優れた供給源です。食物繊維は、健康な消化を維持し、血糖値を調節し、健康な腸内微生物叢を促進するために不可欠です。糖質制限による食物繊維の摂取不足は、便秘、消化器系の問題、腸内細菌叢のバランスの崩れを引き起こしてしまう可能性があります。

炭水化物を制限するとどうなる?

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください