齋藤飛鳥が語る「ヒーロー」は意外な人物だった 乃木坂46を卒業して、生活はどう変わったのか
東洋経済オンライン / 2024年3月3日 13時0分
「7年前、父が彼氏を殺したのかもしれない……」
零花は、刑事としての強さと家族への愛情の間で葛藤する複雑な人物を演じている。
「刑事としての役割に説得力を持たせるため、若くてエリートなキャラクターをどう表現するかがとても大切だと思いました。それで上司との会話で体育会系の話し方を織り交ぜたりしています。一方、家族といるときは、自立した大人の姿を見せつつ、大学生だった頃の零花のような雰囲気を保つことで、彼女のキャラクターの多様性を出せたらいいなと。一人暮らしを経験した後の家族との時間は深い意味を持つようになるので、その心情の変化を反映させています」
劇場版では、特にアクションシーンでそのたくましさが際立っている。サンドバッグに対する一連のパンチや、犯人追跡での柵越えなど、迫力あるアクションにも果敢に挑戦した。撮影に臨む前、「身体能力に自信がなく、アクションシーンに不安を感じていた」と語る齋藤だったが、その難役をどのように乗り越えたのか。
「撮影に備えて、アクションとキックボクシングの基本を身につけるために、何度も練習を重ねました。運動が得意ではなく、これまで強いと思われたことがない私にとって、1つのパンチを力強く見せるための動作の習得は特に苦労しました。
それでもスタッフの皆さんの温かい支援と励ましにより、徐々に上達することができました。アクションシーンはさまざまな角度から撮影され、その都度、改善点をともに修正していきました。完璧ではありませんが、最終的には満足のいくテイクを撮ることができ一安心しましたね」
共演者の演技に心を動かされ、自然と涙があふれる
物語のクライマックスでは、零花が父・哲雄の隠された過去を知る瞬間が描かれる。この重要な場面で、彼女は父への深い愛情を胸に、感動的な号泣を見せた。その演技は現場をも圧倒し、リハーサルからの本気の涙は期待を大きく超えたと高い評価を受けていた。
「いやいや全然ですよ(笑)。感情を表に出すシーンでは、特定の技術や表現力を駆使するというより、脚本とその流れに真っ直ぐ向き合うことを心がけています。涙を流すタイミングや、どの目から涙を流すかなどを事前に計画することはなく、その場の感情に身を任せています。号泣するシーンでは、蔵之介さんや木村多江さんといった共演者の演技に心を動かされ、自然と涙があふれるんです。お相手の演技が私の感情を引き出してくれるという感覚で、それが私の演技を支えています」
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