汚部屋育ちの40代が苦手な「掃除」と和解するまで 植え付けられた苦手意識はあえて「克服しない」
東洋経済オンライン / 2024年3月3日 11時50分
初めて自分の家庭が人の家より汚いということに気づいたのは、小学校5年のとき。遊びに来た女友達に「ハル子の家、髪の毛だらけやな。掃除機かけてないんちゃう?」と質問されたのでした。
あわてて「月に1度はかけてるんだけど……(とっさのウソです。月に1度も掃除機をかけたことはありません)」と言い訳したら「普通、毎日かけるやろ」と呆れ顔で言い放たれました。
そのときの衝撃といったら!
それまで、私にとって「掃除機とは灰皿をこぼしたときに、たばこの灰を吸い込むなど、やむにやまれぬときだけ年に数回使用する秘密兵器のような存在」だったのです。なんということでしょう。普通の家庭では毎日掃除機をかけているなんて!!
そしてその後、我が家が汚部屋であることをクラスメイトに言いふらされ、しばらくの間は仲良しグループの子たちに無視されたりクスクスと陰口を言われたりして、恥ずかしい思いをしたのでした。
とはいえ、汚部屋で育った私にとって、家が髪の毛まみれの状態こそが普通のため、家が汚いことに対してのストレスはゼロで、「バレたら、いじめの糸口になりそうだから、あまり人は家に呼ばないほうがいいな」という学びを得たといった程度のものでした。
掃除機が母親の不機嫌のトリガーになる
中学、高校と成長し、成長して友達が増え、いろいろな家に遊びに行ったり、思春期に入って身なりを気にしたりするようになると、室内や洋服が髪の毛まみれなことに不満が出てきます。
家を掃除してほしいなと思うのですが、それを口にするのははばかられます。「お母さん掃除機かけて」などと言おうものなら、母はとたんに不機嫌になり「あんたは友達に嫌われる性格をしている。いじめに遭うのは自分にも責任がある」とか細かなエピソードを交えて過去のトラブルをほじくり返され、人格否定をされるばかりで掃除機はかけてもらえないのです。
父(ようやく登場)も何度も掃除をするように言うのですが、そのたびに何十年も前の浮気話を持ち出して「あのとき、私がどんだけ傷ついたかわかってんの!?」と責め立てます。そしてもちろん掃除機はかけてもらえないのです。
「なら自分たちで掃除機をかけろよ」という声が聞こえてきそうですが、掃除機に触れようものなら「今度かけるから触るな」と牽制され、また母が不機嫌になるだけ。そもそも掃除機は、収納にしまいこまれており、出すためには扉の前に積まれたものをどかす必要があるため、母に見つからずにことを成し遂げるのは不可能に近かったのです。
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