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データで深掘り「大谷翔平のピッチング」のスゴさ 細部に対する分析はビジネスの世界でも役立つ

東洋経済オンライン / 2024年3月4日 14時0分

2024 MLB ドジャース キャンプの大谷翔平(写真:AP/アフロ)

リスキリングのなかでも人気の高い「プログラミング」。プログラマーのような専門性の高い職種のみならず、「販売促進のために顧客のデータを分析する」といったビジネスの現場でも活用されつつあります。福岡ソフトバンクホークスのデータアナリストで、新刊『野球データでやさしく学べるPython入門』を上梓した齋藤周さんが、大谷翔平選手のデータを紹介しながら、プログラミングがどのようにデータ分析やデータの可視化に役立つのかを、解説します。

2023年は、大谷翔平選手の話題が絶えない1年でした。WBCでの世界一に始まり、ホームラン王、MVP、オフシーズンには史上最高額でのドジャース移籍と、歴史に残る活躍ぶりでした。

【図表】2023年の大谷選手の球種別の投球割合と空振り率のデータ

そんな大谷選手の2023年のピッチングを「データ」で深掘りしてみると、どんなことが見えてくるでしょうか?

データで見る大谷翔平選手の“打者泣かせ”の球種

2023年の大谷選手の球種別の投球割合と空振り率のデータを見ていきます。

下の表のように、投球割合はフォーシームとスイーパーが高く、空振りを多く取れている球種はスイーパーとスプリットが高い結果になっています。

つまり、大谷選手の場合、「スイーパー」は投球割合が高いうえに、空振り率も高いことがわかります。

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

3分の1以上という高い割合でスイーパーを投げているので、相手のバッターはスイーパーを警戒しているはずです。一般的に警戒度が高まると、打者が空振りする割合は低くなりますが、相手が警戒していてもなお、大谷選手のスイーパーは“つい空振りをしてしまう”ほど強力なのです。

その理由のひとつは、縦の落ち幅が小さく横に大きく曲がる独特な軌道にあります。

まるでブーメランのように横にスライドするため、打者がイメージするよりも落ちずに大きく曲がるのです。実際にWBCの決勝で最後の一球となったトラウトへのスイーパーも、大きく横に曲がり、トラウトのバットはボールの下を振っていました。

実際のデータでも、この独特な軌道を確認することができます。2023年メジャーリーグ全体のスイーパーの変化量平均は、上方向に3.1cm、横方向に36.1cmでした。一方、大谷選手のスイーパーをみると、上方向に9.0cm、横方向に40.5cmとなっています。

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