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"灘&開帝"新旧「超進学校の男子校生の実態」対談 灘・暁星・筑駒…有名校の取材でわかった実態

東洋経済オンライン / 2024年3月4日 11時0分

田内:ありがとうございます。実は一度、原稿書き終えて、出版社にも「この話でいきましょう!」とOKをもらったのです。

ところが、ちょうどそのタイミングで、小説の編集者やっている灘高の友人と会うことがあって。そしたら、ストーリーも場面転換も引きももっとよくできると、話が膨らんだんですよね。

灘高生って一見、冷めている人が多いのですが、熱中できるもの見つけると急に仲間意識が芽生えて一緒に猛進していけるところもあるんですよ。彼は違う会社なのに編集協力してくれて、全部1から書き直すことにしたんです。一切妥協しないで作り上げました。

灘・暁星・筑駒……緻密な取材力

田内:私も凹沢さんの作品を読んで、素晴らしいと思うことばかりでして……。特に取材力がすごいと思いました。男子校のことをよくぞここまで詳しく調べているなと驚きましたね。

凹沢:ありがとうございます。私自身、地方の共学校出身で馴染みがなく大変でしたが、いろんな男子校を取材しに行って、キャラクターに落とし込んでいきました。

灘・暁星・筑駒・聖光学院・逗子開成・海城・東大寺学園・浅野などを回りましたね。いつも一緒に取材に同行してくださっている編集者も浅野高校の出身なので、男子校のカルチャーを把握しておられたことも作品を作る上で大きかったなと思います。

田内:最初、男子校に通う学生特有の感情の機微やこじらせ具合の表現があまりにも上手なので、作者さんが男子校出身の方ではないかと思ったほどです(笑)。

凹沢:ありがとうございます。私自身、もともと恋愛の話を描くのが得意じゃないのですが、「陰キャ」の男子校生の生態などはすごく興味があって、共感できたんですね。

それで男子高校生の日常を描こうと思って作ったのが、『別冊マーガレット 2022年1月号』に掲載された読み切りでした。その内容が面白かったのでなんとか連載にしようと思っていたのですが、舞台をどうするかは悩みましたね。

共学の軽音部男子や生徒会男子という設定を試したのですがしっくりこなくて……。その過程で編集長が「担当編集者が男子校出身だから、それを生かしてみればどうか」とアドバイスしてくださったんです。その際、「読者的にも秘密の花園を覗ける」とも言ってもらって、「これだ!」と思いました。

ディスり文化は「男子校あるある」

田内:そのような経緯があったのですね。個人的に、この作品で特にすごいと思った点が、「男子校あるある」の描写でした。男子校に通っていると、自分たちの当たり前が、特殊であることに気づかないんです。

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