日立 "激務だけれどホワイト"な働き方のリアル 「課長が何人も辞めた」「低姿勢すぎる上司」
東洋経済オンライン / 2024年3月4日 7時0分
労働時間は長いが、前職の銀行よりはずっと居心地がいい。
上司が部下に気を使ってくれるから。この前も、上司から仕事を頼まれたときに「お忙しくないですか? 忙しければ、代わりに私がやりましょうか?」と恐縮するくらいの低姿勢だった。前職なら「おまえ、やっとけ」で終わり。
Aさん 確かに、私が入社した頃にはいた「危ない上司」の話を、最近は聞かなくなった。部下のエンゲージメント(働きがい)が上司の評価に影響するから、パワハラ上司は構造的に絶滅せざるをえない。自分で手を挙げて部署異動ができる社内公募制も活用されているので、危ない上司からは部下が逃げていってしまうのかも。
とにかくまじめ、言い換えれば頭が固い
──日立社員の特徴は?
Cさん とにかくまじめ。日立製作所の下請け案件を担当しているが、彼らはよく言えばまじめで、言い換えれば頭が固い。
Bさん 会社は日々「社会課題の解決」を唱えているけど、それを文字どおり受け取って、持てる力の100%以上を出して成果を出そうとする人が多い。「ああ、この人働いてんなあ……」と。
Aさん 「皆で一緒にやりましょう」という協調性重視のタイプが多い。顧客からは「日立は打ち合わせのたびにゾロゾロ人が出てくるなあ」と思われているでしょう。
合理的な人が多くて、有名なのは役員になるとメールの宛名などで使う略称を与えられること。例えば小島啓二社長なら「〈コジ〉」。正式名称を記す時間を節約するためだ。数年前に「内向きだから使用をやめましょう」という通達が来て、今は廃れつつある。
Dさん 人事制度上は、個人で実績を上げるタイプの人も評価される枠組みになっている。だけど確かに「自分だけ成果を出せばいい」というスタンドプレー型の人がうまくやるのは難しいかな。
──ルマーダ案件をどんどんやろう、という雰囲気はありますか。
Bさん ルマーダは、研修動画で学んだ。社内でもルマーダ案件をやっている人はいるが、私も含めて、関わらない社員もまだ多い。
Aさん 自分の担当する案件がルマーダかどうかは、システム上で自らチェックをつける運用になっている。ただ、「ルマーダ案件化」すると管理が大変になってしまうので、私はこれまでチェックをつけたことがない。
──仕事に人を割り当てるジョブ型人事・雇用は現場になじんでいるのでしょうか。
Aさん まだ過渡期だ。課長以上はジョブと処遇が結び付いているはずだが、非管理職は職種や階層ごとに求められる仕事内容などを定義した職務記述書が作られたくらい。ジョブ別にやるべきことが明確になるので、例えばある課長が別部署に異動しても、すぐにバリバリ活躍できる環境になったとは感じる。
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