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「冷え」「熱こもり」タイプで選ぶ"花粉症の漢方薬" 症状でわかる「チェック表」で自分にあう薬を

東洋経済オンライン / 2024年3月5日 14時0分

この大量の鼻水の原因について、出典の古医学書『傷寒論(しょうかんろん)』の条文には、「心下(しんか) に水気あり」と書かれています。

心下とは心臓の下のほうのみぞおち、つまり胃のあたりを指します。ここに溜まった水が鼻水や痰になって噴水のように湧き上がってくると考えるのです。小青竜湯は、この「心下の水」を処理することにより、鼻水の原因を除去します。

小青竜湯を服用するタイプの方は、心下の水気である「水毒(すいどく)」を作らないような養生が大切です。

まずは水分の摂りすぎに注意です。その人にとっての水分摂取量が過剰になっている場合、せっかく小青竜湯を服用しても新たに水毒が作られてしまいます。ほかには、砂糖が入った甘いもの、冷たいもの、果物の摂りすぎなどがあります。体に水を溜め込んで症状を悪化させますので、控えたほうがいいでしょう。

風邪薬として馴染み深い葛根湯(かっこんとう)を、冷えタイプの花粉症にも使うこともできます。葛根湯を使う目安は、項背(うなじ、背中)の強張りがあります。目の症状を伴う場合も有効なことが多いです。

葛根湯は体を温め、余分な水を少し発汗させて処理する漢方薬ですが、体力が衰えて発汗する力がない場合、「虚弱者の葛根湯」と称される麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)を使います。手足の冷えが強い人や高齢者の花粉症に有効なことが多いです。

熱こもりタイプの漢方2種と養生法

熱こもりタイプでは、目のかゆみや皮膚の乾燥、赤みやかゆみ、喉の粘膜の炎症が目立ちます。熱により鼻水や目やには黄色く、ドロドロとした状態です。このようなタイプには、こもった熱を冷ます漢方処方の辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)を使います。

鼻粘膜が乾燥して熱感をもち、鼻づまりが顕著になった花粉症に有効です。乾燥傾向なので鼻水はなく、またはあっても濃いものが少量で、嗅覚障害を伴うこともあります。

鼻の粘膜がきのこ状に水ぶくれになった、鼻茸(はなたけ)にも使われます。

目のかゆみやむくみには、越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)もよく使われます。余分な水分と熱を取ることで、目のかゆみをはじめとする症状の改善が期待できます。

熱こもりタイプの養生では、炎症を悪化させる香辛料、唐辛子やニンニクなどの摂りすぎに気をつけたほうがいいでしょう。揚げものや肉、甘いもの、味が濃いものも控えたほうがよいです。飲酒も熱をこもらせますので、控えたほうがいいでしょう。

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