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認知症の人の理解が一気に進む「5つの会話術」 会話がスムーズになるちょっとした「コツ」

東洋経済オンライン / 2024年3月6日 18時30分

認知症の方に「寄り添う」という行為は、気持ちの問題であると同時に、技術的な問題でもあります(画像:『ボケ、のち晴れ 認知症の人とうまいこと生きるコツ』より/マンガ・中川いさみ)

何度も同じことを聞くし、こっちの話は伝わらない。すぐに泣いたり、怒ったり……。病気のせいだとわかっていても、「もう、どうすればいいの!?」となってしまう、認知症の人とのコミュニケーション。でも、ちょっとしたコツで、理解が一気にすすみ、会話がスムーズになる「会話術」があると、理学療法士の川畑智さんは言います。川畑さんの著作『ボケ、のち晴れ 認知症の人とうまいこと生きるコツ』より、そんな認知症の人との会話のコツを、一部抜粋してお届けいたします。

一番不安を感じているのは認知症の本人 

認知症の方とのコミュニケーションは、簡単ではありません。

【画像】「うなずく」と「相づちを打つ」は、セットで対応するよう習慣づけるといい

同じことを繰り返し聞かれたり、何度言っても話を理解されなかったり、

「もう、どげんすればいいのかわかりません!」

と苦しさを打ち明けてこられるご家族の気持ちは、よくわかります。

でも、同じことを何度も聞いてしまうのは、記憶に障害が起きているためです。

話を理解できないのは、言葉に関する脳の領域が衰え、「失語」の症状が出ているためです。

そして、自分に起きている異変に気づき、失敗を繰り返す自分を、ご本人が一番情けなく、悲しく感じていることが少なくありません。

どうか、その不安に寄り添う気持ちを忘れないでください。

とはいえ、ただ「寄り添う」と言っても、難しいこともありますよね。

じつは、この「寄り添う」という行為は、気持ちの問題であると同時に、ものすごく技術的な問題でもあります。

コミュニケーションがスムーズになる「5つの会話術」

そこで、私がいつも認知症の方との会話で大切にしているのが、次の「5つの会話術」です。

① うなずく
② 相づちを打つ
③ オウム返しをする
④ まとめる・要約する・ゆっくり打ち返す
⑤ 褒める

①うなずくと②相づちを打つは、セットで対応するよう習慣づけます。

認知症の方がなにかを話し出したら、正面を向いて、やや大きくうなずきながら、同時に「うんうん」と声に出して反応しましょう。

「話を聞いてもらえている」と思えれば、認知症の方もまずは安心できます。

続いて、会話の中に具体的な内容を表す単語が出てきたら、相づちに必ずその単語を交ぜ、③オウム返しをします。

たとえば、「寒い」という単語が出てきた場合は、「あら、寒いんですね!」と、「カーディガンを着たい」と言った場合は「なるほど、カーディガンを着たいんですね!」と、そのまま打ち返すわけです。

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