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「飲めるようになってきた人」に潜む怖いリスク お酒に強い人と弱い人、どんな違いがあるのか

東洋経済オンライン / 2024年3月6日 19時0分

もともとは飲めなかったけれど、接待の機会が増えて、飲めるように。そんな人に潜むリスクとは(写真: Fast&Slow / PIXTA)

仕事から帰ると、ついついお酒を飲んでしまう。休日も昼間から飲んでしまう。お酒を控えたいけれども、なかなかできない。そんな人にこそ、つらい禁酒や断酒ではなく、減酒がおすすめです。2024年には、国が初めて飲酒ガイドラインを発表しました。どのように生活習慣を改善するとよいのか、筑波大学医学医療系准教授で、筑波大学健幸ライフスタイル開発研究センター・センター長の吉本尚さんが上梓した『あなたの時間と元気を取り戻す 減酒セラピー』を一部抜粋・再構成してお届けします。

だんだん飲めるようになってきたが…

もともとお酒はあまり飲めなかったけど、仕事の接待や打ち合わせで飲む機会が増え、だんだん飲めるようになってきた。これは、社会人としては喜んでいいことなのかもしれません。

【図表】お酒が体内で分解される仕組み

酒席をビジネスの場として積極的に楽しめれば、仕事の成果にもつながりやすいと感じる人も多いようです。

ほとんどお酒を飲まなかった人が、飲酒習慣のある人と結婚して晩酌が日常になった。お酒に合うおつまみを研究するうちに、お酒がおいしく感じられるようになり、まさに生活の彩りに。お酒という共通の趣味で暮らしが充実するのなら、これもまた喜んでいいことではあるでしょう。

ただ、お酒を好んで飲まなかった人やあまり飲めなかった人が、生活や環境の変化にともなって「飲める人」になった場合、単純に喜んでばかりもいられません。

お酒に強くなることがすべて悪いわけではありませんが、本来アルコールを受けつけない体質の人が無理して飲んでいると、もともとお酒が強い人や普通に飲める人に比べて、同じ量を飲んでもがんを発症しやすいことが、すでにさまざまな研究から報告されています。

仕事の酒席でがんばって鍛えていると、がんばって鍛えたその分の反動が体に出ます。お酒は、鍛えてはいけないのです。

お酒に強い人、弱い人の違い

お酒に強い人・弱い人は、どんな違いがあるのでしょう。私たちの体内で、アルコールがどのように分解されるのかを簡単にお話しします。

お酒を飲んで摂取されたアルコールは、アルコール脱水素酵素(ADH)によって、アセトアルデヒドになります。アセトアルデヒドは、飲むと顔が赤くなるフラッシング反応や二日酔いの原因になる物質。このアセトアルデヒドは、2型アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の働きで酸化され酢酸になります。

ここまでのアルコール代謝の流れは、主に肝臓で行われ、その後、酢酸は筋肉や肝臓以外の臓器で代謝されていきます。

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