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名門男子校生が「お金を稼げる仕事」を目指すワナ もっと「就職だけではない」ことを知ってほしい

東洋経済オンライン / 2024年3月6日 12時30分

凹沢:読者さんから「今日は嫌なことがあったけど、『かし恋』を読んで元気が出た」という感想をいただいたりすると、私もすごく嬉しくなります。

田内:それ、わかります。主人公の正直くんも含めて、癖が強くて攻撃的なキャラが多いですけど、正直くんが関わった相手が最終的に救われるから、読後感がいいんですよ。『鬼滅の刃』に出てくる鬼もそうですよね。あっ、上からな感じですみません。

凹沢:いえいえ。気づいてもらえて嬉しいです。どんな人が読んでも楽しんでもらえて、キャラクターを好きになってもらえることを意識して描いています。

田内さんのお話を聞いていて、読み終わって「良かったな」という感情を抱いてもらえる部分に、お金を払ってくださっているんだなと実感しました。

男子校の「本当の姿」を知ると肩の力が抜ける

田内:それと、今の男子校とか女子校の雰囲気がわかるのは、親としても非常に参考になります。

凹沢:ありがとうございます。世の中に受験漫画はたくさんありますが、私は学校に入ってからの生活を知ることもとても大事だと考えています。

彼らの将来を決める価値観は学校に入ってからの生活で養成されると思います。この漫画は男子校出身の編集者さんと、たくさんの男子校に取材に行って作っているので、入学してからの生活を想像してもらいやすくなるかなと。

実際の男子校もこれくらいゆるいですから、受験のプレッシャーで悩んでいる親御さんに知ってもらえたら、力が抜けるんじゃないでしょうか。

田内:ただ、女性との接し方というのは小学生並みの偏差値になってしまう可能性があるので、男子校を検討するならそちらも考慮したほうがいいかもしれません(笑)。

凹沢:社会に出たら女性と関わらないといけませんからね。その点では、この漫画が唯一リアルじゃないと言われるのは、女性との接点の多さなんです。なかなか、普通の男子校生は主人公の正直みたいに、アグレッシブに話しかけには行けないですよね……(笑)。

新しい視点に気づく作品を作っていく

田内:はい、僕にはできませんでした(笑)。

真面目な話に戻すと、マンガでもなんでも僕が好きなのは、新たな知識だけではなく、新たな視点に気づかせてくれる作品です。『かし恋』を読むと、今の子たちが、世の中をどのように感じているか、どんなときに幸せを感じているかがリアルに伝わってきます。

親になると、自分が学生だったときのことを忘れて、進学実績だけ気にして学校を選んじゃうんですよね。それだけで選んじゃいけないと教えてくれる感じがするんです。そういう意味で、親が読んだほうがいいと思うんですよ。

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