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北海道の根室線、「鉄路消滅」で沿線はどうなる? 『鉄道員』『北の国から』ロケ地の駅も廃止に

東洋経済オンライン / 2024年3月6日 6時30分

根室線は富良野から南へ空知川に沿って走る。廃止区間の1駅目の布部駅は、北の国からの第1話で、北海道に帰ってきた五郎・純・螢が降り立つ駅として登場する。布部、山部、金山の各駅からはかつて木材を搬出する森林鉄道も延びていた。金山―東鹿越間の空知トンネルを抜けると、金山ダムによってできたかなやま湖が見えてくる。

湖畔の東鹿越駅が列車と代行バスの乗り換え地点。新得方面へのバスは列車が来なくなった幾寅、落合両駅に立ち寄る。落合から先、国道38号は東へ、根室線は南へ分かれて狩勝峠を越える。

かつての根室線は国道に沿ったルートで、急勾配・急カーブが連続する難所だった。旧新内駅付近は長野県の篠ノ井線姨捨駅付近、熊本県の肥薩線矢岳駅付近とともに「日本三大車窓」の1つとされた。1966年の新線完成後、旧線の一部は国鉄の実験線となった。

峠を越えた新得側の狩勝高原では、軌道自転車のトロッコ鉄道を整備。朝のNHK連続テレビ小説『なつぞら』に登場した柴田家のセットも移設されている。

代行バスはサホロリゾート前に立ち寄ってして新得駅に到着。一方、根室線の新線は新狩勝トンネルで峠を抜ける。トンネル内の上落合信号場が根室線と石勝線の合流点で、新得駅まで両線が線路を共有する。

南富良野町では、下金山から落合までの5駅が廃止となり、鉄道駅は町内から消滅する。新たな町の交通のハブになるのが幾寅駅の約1km北、国道38号に面した「道の駅南ふらの」だ。開設は1993年。いまや全国に1200以上を数えるまでになった道の駅の第1回登録で誕生した103駅の1つだ。

2022年4月には隣接して複合商業施設が開業。地元食材を使ったレストランやフードコートのほか、アウトドア用品大手のモンベルの店舗が入り、屋内でクライミング体験もできるようになっている。同年6月には国道を挟んで宿泊特化型ホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット・北海道南富良野」もオープンした。

バスの延伸・増便

2024年4月以降は富良野から山部方面の既存路線バスを道の駅南ふらの、幾寅駅まで延伸、1往復増便して6往復とする。

また道の駅で富良野からのバスに連絡する南富良野町営バスも新設。落合と石勝線トマム方面への地域の足を確保する。旭川と帯広を結ぶ都市間バスも2往復増便して5往復とし、落合停留所を新設した。

南富良野町役場の担当者は「町民の生活圏である富良野の学校や病院などへの足を確保できた。鉄道より便数が増えるので、観光客が多い富良野やトマムからも町内に足を延ばしてもらいたい」と話していた。かなやま湖では夏はカヌーなどのアクティビティ、冬はワカサギ釣りが人気という。

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