北海道の根室線、「鉄路消滅」で沿線はどうなる? 『鉄道員』『北の国から』ロケ地の駅も廃止に
東洋経済オンライン / 2024年3月6日 6時30分
JR北海道管内では、このところ毎年のように廃止となる区間が出ている。2019年は石勝線夕張支線の新夕張―夕張間、2020年は札沼線の北海道医療大学―新十津川間、2021年は高波の被害により2015年から不通だった日高線の鵡川―様似間が廃止された。根室線の富良野―新得間も含め、いずれも1日1km当たりの利用者数を示す輸送密度が200人未満の線区だ。
留萌線は2016年に留萌―増毛間、2023年に石狩沼田―留萌間が廃止。残る石狩沼田―深川間も2026年の廃線が予定されている。同線の廃止によって、JR北海道が2016年に「当社単独では維持困難」と表明した13線区のうち、廃止・バス転換の方針を示した5線区が姿を消す。
ほかの8線区は地元負担などを前提に存続を目指すが、JR北海道は2024年1月、2023年度中に示すとしていた具体的な改善策の決定を先送りすると表明した。
廃止直前になって混み合う
乗務員不足が深刻化する現状では、赤字ローカル線を廃止してバス転換するにしても将来の不透明感が拭えない。自治体側から鉄道廃止を提案し、代わりにバス網の充実を図る「攻めの廃線」で注目を集めた石勝線夕張支線の地元、夕張市のバス会社は2023年10月、ドライバー不足などを理由に同市と札幌方面を結ぶバス路線を廃止した。2030年度予定の北海道新幹線札幌延伸に伴う並行在来線の扱いも気がかりだ。
JR北海道は3月16日から月末まで富良野―東鹿越間の列車と東鹿越―新得間の代行バスを増便する。直前に廃止を惜しむ人々で駅や列車内が混み合うのは、近年の北海道の春の風物詩のようになっている。
大自然の中を走る区間が多い北海道のローカル線は、沿線に集客の潜在力を備えているだけに、普段から国内外の観光客にも使いやすくなるような施策が必要と言えそうだ。
橋村 季真:東洋経済 記者
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