中国で「空前の整形ブーム」が起きているなぜ 今後の消費のカギを握る「中女」とは何か
東洋経済オンライン / 2024年3月6日 11時30分
一方、彼らの子供世代に当たる現在20~30代の人々は、先進国の感覚に近く、「見た目も心を表す」という思想を持っている。身体に負担をかけないことを気にしながら、特に日本・韓国のアイドルや、一般人のメイクアップと肌質に憧れ、化粧品やファッションに投資をする。
お馴染みの爆買いも、親世代は炊飯器・温水洗浄便座だが、若い世代は化粧品やファッションを求める。彼女らが10代の時から、韓国の美容整形が有名になり、中国国内でも徐々に広まりつつあったため、認知度が高い。周りの1人、2人は二重まぶたの手術を受けたことがあり、まったく新しいことではない。
こうした女性たちが年齢を重ねる中で、社会環境の変化や、経済力の向上、技術の進化があったほか、親世代に比べると「見た目重視」にもなっているのだから、中国の美容やファッション関連市場もそれに伴って成長するのは必然だろう。彼女たちは中国に新しい価値観をもたらそうとしており、これが中国で初めてとなる、若者市場とシニア市場の「間」の市場を生んだのである。
「中女」はいかにして誕生したのか
「中女」はいかにして、新たな市場を開拓するに至ったのだろうか。そこには、彼女たちの「心情変化」がある。
まず、20代後半になった彼女たちは、従来の社会の世論や、メディアに出ている女性に違和感を抱くようになった。40代以上の男性俳優の隣にいるのは、20代のピカピカの若い女優ばかり。30代に入った途端、主演女優でなくなり、40代にもなっていないのに、20代前半のイケメンの母親役ぐらいしかない。
理想の男性の基準が「高・帥・富(身長が高く、格好よく、お金持ち)」に対し、女性に対する評価基準は「白・痩・幼(肌白・スリム・幼い感じ)」。本来なら人として成熟を迎え、一番輝くべき20代後半から40代の女性は、どのように生きていくべきか、一生懸命悩んできた。
その前の世代に比べると、教養も視座もはるかに高い彼女たちは、例えば海外のドラマ・映画・書籍・SNS発信、または自らの留学経験から、新たな発見をする。それは、「自分の意志で選択をする」「年を取っても、美を追求する権利も能力もある」、そして、「自分は自分を癒やし、楽しく生きる」ことだ。
彼女たちは、まだまだ若いといえるのに、自らおばさんだと揶揄される言葉の「中年婦女」から「中女」を取って、これから「中女の時代」だと宣言している。つまり、今まで「若い女性」「母親」「シニア女性」しかなかったが、現在、自分のために生きる「中女」市場も生まれてきたのだ。
日本の映画が中女たちに大ウケ
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