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「知ったかぶりして間違えた」リーダーのその後 部下に命令するのをやめた組織で何が起きたか

東洋経済オンライン / 2024年3月7日 10時0分

部下に間違った命令を下して、もう命令しないと誓った著者が実行した新しいリーダーシップとは(写真はイメージ:razihusin/PIXTA)

状況をわかっていないのに「わからない」とは言えず、部下に間違った命令を下したことはないだろうか。自分の間違いが部下の前で露見したとき、あなたならどんな行動を取るだろうか。

突如として米海軍の潜水艦「サンタフェ」の艦長となったマルケ氏も、部下の前で間違いを犯してしまったリーダーだった。そこからマルケ氏は、「命令しない」ことを決断、チームの成果を飛躍的に上昇させた。

なぜそんなことができたのか。マルケ氏の近刊『最後は言い方』から紹介しよう。

私は自分が特別だと思っていた。そう思い始めたのは高校生のときで、まわりの誰よりも優秀な成績を修めたことがきっかけだ。その思いは米海軍兵学校時代も続いた。

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何よりも勝つことが大事だった私

海軍兵学校を卒業し、海軍の潜水艦部隊に艦長として配属されると、私はこんなふうに誤解した。

こんなに早く出世できたのだから、私はまわりに比べて観察力や自制心に優れ、責任感が強くて思考力が高く、周囲に気配りができるに違いないと。

認めるのはつらいが、当時の私は、ともに働く人たちよりも仕事ができる(そして単純に優秀である)とかなり本気で思っていた。

私のものの見方が歪んでいると示す兆候はたくさんあった。それらに目を向けなかったことがいまも悔やまれる。

パフォーマンスこそすべてという考えのもと、私は誰も寄せつけない強者の仮面をかぶった。

人生が激しい競争だとするなら、私は部下にどんな苦難を強いてでも勝とうとしたと思ってもらって間違いない。

当時の私のように、序列のなかの役割に自分を同化してしまうとどうなるか。

自分が成し遂げたことが適切に評価されていないと感じるたびにイライラする。

周囲と感情的な距離を置き、どんな犠牲を払ってでも弱さを見せないという働き方になり、孤独や虚しさに苛まれる。

昇進や表彰は誇らしかったが、本当に大切な何かが私には欠けていた。

2つ目のモーターは存在しなかった

私のキャリアは、思いがけず遠回りを強いられた。

原子力潜水艦「サンタフェ」の艦長が急に辞任し、突如として私がその後任を務めることになったのだ。当時サンタフェは士気もパフォーマンスも低い艦として有名で、艦隊の笑いものとなっていた。

通常なら、リーダーとしての力量を証明しにかかるところだが、それはあくまでも、その艦について把握している場合の話だ。

実際には、私はそれまでの12カ月間、別の潜水艦を引き継ぐ準備をしていた。つまり、サンタフェについて何もわからない状態で、艦長に就いたのだ。

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