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問題解決はテクノベート・シンキングで変わる テクノロジーで何ができるようになるのか

東洋経済オンライン / 2024年3月7日 9時0分

この問題解決の手法はコンサルティングファームなどで磨かれたものであり、クリティカル・シンキング(健全な批判精神を持ちながら論理的に考えること)の力をベースとします。

このアプローチの基本は分解です。全体を漠然と見ていては問題を効果的に解決することができないので、さまざまな切り口で問題を分解してみて、どこが問題の核心なのか、どの解決策が効果的かといったことを見極め、取捨選択するのです。

この方法論は、人間の思考力や経営資源には限界があるという前提に基づきます。また、パレートの法則(80:20の法則、結果の8割は、その構成要素のうちの2割の要素が生み出しているという経験則)を活用した方法ともいえます。あらゆる可能性を考え、ちょっとでも効果があればそれを実行するというアプローチは不可能ですし、費用対効果の面でも見合いません。限界や制約を意識しつつ、その中で効果的に問題を解決していこうというのがこの手法のエッセンスです。

このやり方は適切に用いれば相変わらず効果的ですし、マスターしておきたい手法です。一方で、近年ではビッグデータや最新のITを活用した新しいタイプの問題解決方法も現れています。それがテクノベート・シンキングです。

テクノベート・シンキングとは、徹底的にIT(機械)の力を活用することにより、人間だけでは実現できなかったソリューションを考案、実施しようという問題解決の方法論です(なお、テクノベートとはグロービスの造語で、テクノロジーとイノベーションを組み合わせたものです)。

例えば、広告入りの動画サイトであと2割視聴時間を伸ばしたいとします。この問題に対し、顧客セグメント(属性など)を分け、追加で視聴しそうな顧客を絞り、キャンペーンを行ったり、彼らに訴求するコンテンツ作りなどを行うというのが従来のアプローチでした。

テクノベート・シンキングの問題解決

それに対してテクノベート・シンキングのアプローチでは、まず「2割視聴時間を増やす」ための、ありたい姿(あるべき姿)を具体的に考えます。たとえば、「全ユーザーに個別のレコメンデーションを行う」などです。

個別の顧客にレコメンデーションを行うというのはリアルの多くのビジネスではなかなか難しいといえるでしょう。ところが、ネットビジネスなどでは、ありとあらゆる顧客の行動データ、いわゆるビッグデータが集まります。そのデータを解析し、顧客にあつらえたレコメンデーションをすれば、実際に2割視聴時間を増やすことは十分に可能なのです。

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