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「高血圧」が気になる高齢者に教えたい意外な真実 若者も高齢者も「140㎜/Hg以上」基準の疑問

東洋経済オンライン / 2024年3月7日 6時40分

イギリスでも4万8000人を対象に同様の調査を実施したところ、やはりHbA1c値が従来の基準値を超える7.5%の時にもっとも死亡率が低くなりました。なおHbA1c値が11.0%まで上昇すると死亡率は、7.5%の時よりも79%上昇し、5.4%まで下げた時にも死亡率は52%上昇しています。

欧米人と日本人で体質は異なるものの、これらの調査の結果からは、HbA1cが基準値よりもいくらか高い、つまり「軽い糖尿症とされている人」のほうが長生きできるのだろうと予測できます。

2型糖尿病ならインスリンは原則的に不要

糖尿病には、膵臓からのインスリン分泌が低減することで発症する「1型」と、遺伝的な要因に過食や運動不足、肥満などが加わって発症する「2型」があり、日本人の糖尿病患者の95%以上が2型です。

1型の場合、血糖値を下げるためのインスリン注射を打たないと血糖値が急上昇して、その状態が続くと合併症を起こすおそれがあります。しかし、2型糖尿病の場合はインスリンを受け止めるレセプター(受容体)の故障が主な原因で、インスリン自体はきちんと分泌されることも多いので、原則的に注射は不要です。

私は以前の検査で血糖値が660mg/dlにまで達していました。厚生労働省による基準値は、通常の場合、空腹時で70~100mg/dlとされていますから、明らかに重症の域でした。医者からは当然のようにインスリン注射による治療を勧められましたが、私は2型だったのでこれを断りました。

その後はもっぱら、歩くことで血糖値をコントロールしています。毎日30分ほど歩くようにしたところ、それまでまったく運動をしていなかったこともあり血糖値は200~300mg/dl前後を維持しています。

数字に固執せず適度にコントロールしよう

厚労省の掲げる正常値よりはずっと高いのですが、それでもときどき喉が渇く程度で、支障を感じることはありません。

そもそも糖尿病とは「血糖値が高すぎる病気」ではなく、「血糖値が安定しない病気」です。

血糖値は低ければいいというものではなく、50mg/dl以下になると臓器にダメージを与えるリスクが高まり、40mg/dlまで下がれば意識を失い、20〜30mg/dlになれば命が危ぶまれます。

慢性的な低血糖状態になると身体や脳の活性が落ちて終日、頭がぼうっとしたり身体がふらついたりします。

また血糖値が下がる時間帯には脳に糖分がいき届かなくなるので、低血糖によって認知症のリスクが高まることも考えられます。

こうしたことから血糖値は正常値にこだわらず、本人に不具合のない状態で適度にコントロールするのがベストだと考えます。

和田 秀樹:精神科医

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