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京葉線の幕張豊砂以外も「イオン前駅」増殖の背景 「ショッピングモールは車で行く」の常識を覆す

東洋経済オンライン / 2024年3月7日 6時30分

この駅は蘇我方面に向かう下りホームが地平、東京方面に向かう上りホームが2階になっていることも特徴だ。地下鉄ではよく見かけるが、地上駅では少ない。

この構造は、駅の陸側にある車両基地(京葉車両センター)と関係がある。京葉線はもともと貨物線として計画され、車両基地がある場所は貨物駅になる予定だった。貨物駅への出入り線を通すために、上り線を高架としたもので、現在も車両基地の出入り線が通っている。

駅舎は海側のみで、路線バスが発着する駅前広場に隣接してイオンモールの建屋があり、入口まで屋根付きの通路を用意している。

とはいえ駐車場は7300台分もあり、平日は6時間、土日祝日は4時間まで無料ということに加え、周辺にはコストコホールセールなどもあるので、現在も渋滞が発生しがちとのことだ。

駅の存在感アピール

開業1周年を迎える2024年3月16日、17日には、駅前広場、イオンモール、コストコなどで、記念イベントを開催するという。地域全体で駅を盛り上げていこうという姿勢が伝わってくるし、ここでもう一度、駅の存在をアピールしたいという気持ちが伝わってくる。

ところで幕張豊砂駅が開業した2023年3月18日には、同じJR東日本でもうひとつ新駅が生まれている。田沢湖線の盛岡―大釜間に設けられた前潟駅だ。

こちらもイオンモール盛岡に隣接した場所に駅があり、設置費用は盛岡市が負担したものの、イオンが盛岡市に企業版ふるさと納税をする形で寄付をしている。

逆に既存の駅の近くにイオンモールが開業した例もある。京都市のイオンモール京都桂川は、JR西日本東海道本線(京都線)桂川駅から連絡通路が延びており、アップダウンがなく雨にも濡れずアクセスできる。

さらに桂川駅のやや西には、阪急電鉄京都線の洛西口駅があり、徒歩5分ほどでイオンモール京都桂川に着く。複数の駅が徒歩圏内にあるイオンモールは珍しい。

ビール工場跡地の再開発

2つの駅の間には、かつてキリンビール京都工場があった。しかしビール工場の移転が決まり、跡地には商業施設や集合住宅などが建設されることになった。

この時点で駅の開設が決まり、2003年に洛西口駅、5年後に桂川駅が生まれた。洛西口駅はニュータウンもある洛西エリアへの入り口、桂川駅は近くを流れる川から命名された。

工場跡地にイオンモールの進出が決まったのは両駅が開業したあとで、2014年にオープンしている。これに合わせて桂川駅との間に歩道橋が設置され、洛西口駅付近の阪急京都線は渋滞対策として高架化された。

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