ソニーホンダがマイクロソフトと組んだ「深い縁」 両社キーマンが明かす「AIで提携」に至った裏側
東洋経済オンライン / 2024年3月8日 7時20分
膨大なデータ蓄積という観点で、検索エンジンを手がけているマイクロソフトやグーグルと、それをやっていないソニーとの差はすごく大きい。自前では限界があり、マイクロソフトに2018年ごろからいろんなソリューションを紹介してもらうなど、結構な期間にわたって模索を続けていた。
その後、(深層学習モデルの)トランスフォーマーが登場し、チャットGPTがドンッと出てきて、「ああ、これはすごい」と。(マイクロソフトが提携する)オープンAI、チャットGPTの登場がすごく大きなインパクトだったことに加え、過去の関係性も踏まえたときに、やっぱり自然対話はマイクロソフトとやりたいと思った。
モビリティーの目線としては、そういうものを車室内の楽しみにできないかなと。今年のCESのときにも、人とモビリティーの関係性を少し変えていきたい、再定義したいというメッセージで打ち出した。これまでの人と車の「操縦する」という一方通行的な関係ではなくて、インタラクティブな関係に変えていく要素の1つとして、自然対話がすごく重要だろうと思っていた。
こうした背景から去年、マイクロソフトに声をかけた。
提携の裏にソニーとの深いつながり
――打診をマイクロソフト側はどのように受け止めたのでしょうか。
沼本 実はマイクロソフトとソニーには深い歴史がある。
例えば2019年、サティア(・ナデラCEO)と当時の吉田(憲一郎)社長とのクラウド提携に関する覚書締結の発表を私は手伝っていて、そこから実際にいろんなプロジェクトが生まれている。
ソニーのアイトリオスというIoTサービスのアジュール上での運用・サポートや、(ビデオ会議ツールの)Microsoft Teamsへの参加に便利な(ソニー製イヤフォンの)リンクバッズの認定機種などだ。
そんな中でこの問い合わせをもらい、(生成AIアシスタントの)コパイロットや生成AIの世界と、川西さんのチームが持っているビジョンの相性がすごくよかったので、ぜひサポートさせてもらおうという流れになった。
――モビリティーに生成AIが絡むことで、具体的にどのような付加価値が生まれるのでしょうか。
川西 ひとくくりで言ってしまうと、ユーザーエクスペリエンスだ。
モビリティーにおけるユーザーエクスペリエンスを考えると、運転する楽しみは当然あると思う。ただ、自動運転の世界が到来し、隣に会話できる人も乗っていなかったときに、代わりとなるものは何なのかと。そういったケースにおいて、コミュニケーションやエンターテインメントの手段として可能性があるのではないか。
この記事に関連するニュース
-
EU、競争法違反の調査検討 MSとオープンAI提携で
共同通信 / 2024年6月29日 19時26分
-
マイクロソフトが示す“マルチモーダルAI”の可能性、「GPT-4o」が実現する未来の体験とは?
マイナビニュース / 2024年6月28日 10時0分
-
ドジャース AFEELAとパートナーシップ契約締結 大谷&山本加入後11社目
スポニチアネックス / 2024年6月27日 1時31分
-
ドジャース、AFEELAと契約 ソニーとホンダのEVブランド
共同通信 / 2024年6月26日 8時46分
-
AI(人工知能)に強い米国巨大IT企業は?【トウシルクイズ・AI】
トウシル / 2024年6月11日 7時30分
ランキング
-
1ラーメン業界の革命児「一蘭」幹部に聞く 最高益をたたき出した「3つの要因」
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月6日 11時25分
-
2株高なのに円安の恩恵が広がらないのはなぜか 岸田政権の大きな政策ミスを教訓にできるか
東洋経済オンライン / 2024年7月6日 9時0分
-
3「楽天ブラックカード」これまで招待のみだったが、申込受付を開始 特典は?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月5日 13時7分
-
4愛・地球博から約20年“夢の道路の続き”ついに動く 「名古屋瀬戸道路の“側道”」東名の南側へ
乗りものニュース / 2024年7月6日 8時12分
-
5日本の中古車相場が「ロシア」の影響で下落!? 厳しい「輸出規制」のなかで「売れている」クルマも? 意外な“ロシア行き日本車”とは
くるまのニュース / 2024年7月6日 12時10分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)