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ソニーホンダがマイクロソフトと組んだ「深い縁」 両社キーマンが明かす「AIで提携」に至った裏側

東洋経済オンライン / 2024年3月8日 7時20分

沼本 ビル・ゲイツの時代から「Information at your fingertips(指先で情報を)」という考え方でやってきたが、皆さんの情報収集や生産性を向上させるうえで、今まで車の世界は別空間という感じだった。それがこの協業によって、当たり前のように車の中でも情報を扱えるようになっていく。

AIの活用先は車内空間に限らない

――パートナーシップの下での取り組みは、いつ、どこで何からスタートするのでしょうか。

川西 サービスをうちで開発する時に、マイクロソフトの技術的なソリューションをどれだけ活用できるか、今まさに(検証を)やっているところだ。いろんな交流の中で、開発体制は作れると思う。

個人的には、あまりモビリティーにこだわっているわけではない。(生成AIは)スマホの利用時などいろんなシチュエーションで使えるものだと思っている。

――例えば、車を乗り降りする前後に利用するスマホアプリやサービスなどについても、生成AIを活用して開発できる余地があると。

川西 そうだ。僕は(車を)ユーザーエクスペリエンスとしてしかとらえていない。たまたま「車に乗っている」という時間なだけだ。

一方で、人間は別にずっと車に乗っているわけではない。

――ソフトウェアが車の価値を定義する「SDV(Software Defined Vehicle)」という考えが出てくる中、何がこれからの車の競争力を左右すると考えていますか。

川西 車は高額なので、それに見合うだけのものが必要だろうなとはつねづね思っている。

そのときに何が大事か。ソニー・ホンダというよりはソニー目線になるが、既存の自動車を見よう見まねで作り直すのでは、何の意味もないですよね。それはホンダさんなり、トヨタさんがやっているので、そこにあえて出ていく必要はない。

そうでない進化を遂げられる可能性を見極めて、走る・曲がる・止まるという基本性能とは別の進化ができるだろうと。何かというと、モビリティーの中で圧倒的に遅れていたIT的な進化だ。

モバイルの進化と同じようなことが、モビリティーにも起きると考えている。

ビジョン実現のサポート役に徹する

――ソニー・ホンダに限らず、マイクロソフトから自動車メーカーに対して、何かこれまでに生成AIを用いた印象的な提案事例はありましたか。

沼本 とくにそういうような観点はない。

うちの会社のミッションは、地球上のすべての個人と組織人が、より多くのことを達成できるようにする、ということ。あくまで各パートナーがやりたいことを、うちの要素技術を用いて、水平的にサポートしている。

なので、われわれとしてはソニー・ホンダのビジョンの実現をサポートする、同じく協業しているメルセデス・ベンスのビジョンもサポートする、ということに徹している。

逆に「この業界・産業はこうあるべきだから、皆さんこうやってくれ」というスタンスではまったくない。

――今後、このパートナーシップで目指していくことは。

川西 モビリティーの未来を見せていきたい。完成度はともかく、自分たちが子供のときに想像した未来の車を実現させることがミッションだ。

SF映画の中には、自然対話のように人とコンピューターが話すシチュエーションはいろいろあったと思う。そういったものを実現することが大事ではないか。

沼本 うちはあくまで、パートナーのビジョンをサポートするのがミッション。その中で、キーワードとしてクラウドとAIにはもちろん興味がある。そこでどう貢献するか、ということだろう。

森田 宗一郎:東洋経済 記者

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