「38歳からの婚活」で"競争"を制した彼女の勝因 結婚相談所で大人気の彼を射止められたワケ
東洋経済オンライン / 2024年3月10日 12時50分
そのショックで半年ほどは婚活を休んだ涼子さん。元気を取り戻してから、同じ結婚相談所に復帰した。前回の反省を踏まえて、攻める姿勢を身に付けていたようだ。相談所に新しく入った男性に狙いを定め、達也さんを見つけてお見合いを申し込んだ。
涼子さんが結婚相手に求める条件は、「年収は自分と同じく500万円程度。身長は170センチ以上で太っていない人。自分が今の会社で働き続けられる範囲で一緒に住めること」。身長175センチのITエンジニアで、ボクシングで体を鍛えている年収600万円の達也さんはど真ん中の男性だったのだ。
「会ってみたら、話し方もゆったりしていてとても居心地が良かったです。友だちと会っていても2時間ぐらいで切り上げたくなる私が、いつまでも一緒にいられると思いました。私は常にセカセカしているので、自分にないものを彼が持っていると感じたのかもしれません」
有頂天になった涼子さんは、お見合いから3回目のデートで結婚を見据えた真剣交際に入ることを達也さんに迫った。前の相手に自分が急かされて戸惑ったのを忘れたのだろうか。同世代女性からのアプローチが殺到していた達也さんは「まだ判断できないので交際中止にします」との答え。2人の縁が切れかかってしまった。
ここで涼子さんは粘り腰を見せる。達也さんとはすでにLINEでもつながっていたので、しばらく時間を置いてから結婚相談所のシステムは使わずに再び連絡。もう一度会う約束をとりつけ、ちゃんと付き合いたいと思っている理由を伝えた。
「相談所のルール違反なので、担当のカウンセラーさんからは叱られました」
さきほどから少しぼんやりとした雰囲気で涼子さんの隣に座っている達也さんはどのように感じていたのだろうか。聞けば、大事な物事は時間をかけてよく考えてから決めたいタイプのようだ。
「涼子さんには最初から好印象を持っていました。でも、たくさんの女性とお見合いしなければならず、ボクシングの練習や試合もあって、平日の夜や毎週末の予定がパンパンに。とにかく時間が欲しかったです。他の女性とも会い、涼子さんは時間をかけても嫌なところが見えてこなかったことに気づきました。僕は、レスポンスが遅すぎたりするのが嫌です。年収は400万円以上の女性だとそういう感覚が似ていて、ちゃんと会話ができると感じました」
大学を出てから転職を2回経験し、現在はIT企業に勤続18年の達也さん。「誰かと一緒に穏やかに暮らしたい」と思いながらも、ボクシングに打ち込んでいたこともあり、恋愛や結婚は後回しになっていた。しっかり者の涼子さんに見つけてもらって正解だったのかもしれない。
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