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「マルハラ」を認めると組織が破綻する3つの理由 若い世代に合わせるべきタイミングの見極め方

東洋経済オンライン / 2024年3月12日 6時55分

にもかかわらず「語尾に句点をつける」ことまで「ハラスメント」と表現していたら、「ハラスメント」の表現が醸しだす深刻度が薄くなってしまわないか。

これが1つ目の「常識的な視点」だ。

続いて2つ目の「ルール的な視点」である。そもそも「マルハラ」がハラスメントとして認定されるかどうか、である。

厚生労働省が公開しているパワーハラスメントの6類型は以下の通りだ。

(1)身体的な攻撃(暴行・傷害)
(2)精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)
(3)人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
(4)過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害)
(5)過小な要求(業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じること・仕事を与えないこと)


(6)個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

マルハラがパワーハラスメントの一種、というのであれば、どこに該当するのだろう? 「(2)精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)」であろうか。

いや、いくらなんでも過剰解釈だ。過剰というか、過激と表現したほうがいいか。さすがに「マルハラ」をハラスメントとして認定し、ビジネスチャットでコミュニケーションをとるときは、「語尾に句点をつけないように」とルールを設け、職場で周知徹底させることはできないだろう。

あくまで「ノイジーマイノリティ」にすぎない

3つ目が現実的な視点だ。そもそも、マルハラを認定して職場がより健全化し、生産性がアップするのか。20年以上、現場で支援してきたコンサルタントとして、現実的な視点で考えたい。

その際、活用したいのがサイレントマジョリティとノイジーマイノリティという言葉だ。

サイレントマジョリティとは、積極的に発言しない多数派のことだ。サイレントマジョリティの反対は、積極的に発言する少数派である。あまりに声高に主張するので「ノイジー(うるさい)」「ラウド(やかましい)」という言葉をつけて「ノイジーマイノリティ」「ラウドマイノリティ」と呼ぶこともある。

もちろん、サイレントマジョリティはスルーすべきではない。たとえば、

「まだ経験が浅いうちは、しっかり残業して経験を積め」
「若いうちから週末に休んでばかりいると、はやく成長しないぞ」

などと一部のマネジャーが日頃から口にしていたら、社内全体の長時間労働は減らないだろう。「同調圧力」が働くからだ。

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