残念な社長が「残念な人」に大仕事を任せがちな訳 「社員を舐めている」から現場の説得に手を抜く
東洋経済オンライン / 2024年3月13日 11時0分
本当に重要な仕事を頼むなら、「面倒くせえなあ、ほんとにやらなきゃだめ?」と渋い顔をする人にこそ頼むとよい、と言われます。
「面倒くさい」と言うのは、その人が、その業務を完遂させるまでのプロセスを頭に描けるからです。その間に必要なリソース・調整・リスクなどなどを、瞬時にリストアップできるからこそ「面倒くさい」と感じるのです。
「あんた、簡単に改革って言うけど、それがどんなに大変かわからないだろ?」
こう言ってくれる経験豊かな方を説得して仕事を引き受けてもらえば、準備不足や甘い見通しで失敗するリスクは格段に減ります。
「まっさきに手を挙げる人」は全体が見えていないかも
逆に「よろこんで!」と改革に対してまっさきに賛同の手を挙げる方は、それがどんなに困難で長い登り坂であるか、わかっていない恐れがあります。
この時短改革が「スイスイ進むだろう」「楽勝じゃね?」と思ったのかもしれません。
そういう方は、プロジェクトの開始前は元気だったのに、いざ始まってみると静かになる。そして「みなさん言うことを聞いてくれないんですよ」とか、「会社からもっと強く『事務局メンバーの言うとおりにしろ』と落としてくれないんですかね?」などと言い出す。
もしかしたら、会社のチカラをバックに、個人的に絶大なパワーを得られるとでも勘違いしたからこそ、事務局メンバーに手を挙げたのかもしれません。
もっと言うと、手を挙げた原動力が「いまの職場への不満」である可能性もあります。業務プロセスへの不満というより、人間関係への不満。同僚に対して恨みを抱いている場合すらあるでしょう。
そういう人は業務にあまり精通していなかったり、周囲からの信頼が薄いため、仕事がさほど振られていません。だからこそ「改革というイベント(しかも会社主催)」に手を挙げたのかもしれません。
「無能な味方は、最大の敵」という言葉もあります。それを察知する危機意識はもっておきましょう。
改革に前向きではない人を説得して改革を任せる――そんなの大変だ、と思われるかも知れません。でも、その「大変なこと」を避けて通るから、いつまでたっても改革が成功しないのです。
「時短のプロセス」を時短するから失敗する
時短改革に取り組もうとして頓挫する会社の多くは、時短のプロセス自体を「時短」しようとして失敗します。
現場を説得する手間や労力は、絶対に省いてはいけませんし、手を抜いてもいけません。
改革を主導する立場の人は、自社の社員たちを「軽く見ている」ことが多い。「同じ社員だからわかってくれるだろう」と油断していることもあります。そのため、丁寧に説得する手間を省いてしまいがちです。
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