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「1日3分!」見るだけで認知症を予防する方法 有効視野を訓練すると脳全体が活性化する

東洋経済オンライン / 2024年3月13日 17時0分

科学的根拠のある認知症予防法が海外で話題になっています(写真:tsukat/PIXTA)

認知症患者数は2025年に675万~730万人になるとも推計されています。家族が認知症となると本人だけでなく家族への負担も大きくなります。そんな中、科学的根拠のある認知症予防法が海外で話題になっています。『1日3分見るだけで認知症が予防できるドリル』の著者であり、眼科医の平松類先生に聞きました。

年齢をかさね不安を感じる認知症

「人の名前が出てこない」「会話に『あれ』や『これ』が増えた」「認知症にならないか不安」。そんな切実な声があります。特にアルツハイマー病による軽度認知症は新薬が出て注目されているものの、高額でありリスクもあります。そこでさまざまな「脳トレ」を試した方もいるでしょう。なかなか効果を感じにくいと感じた方も多いと思います。

【図を見る】「脳知覚トレーニング」をやってみましょう

そこで「脳知覚トレーニング」という方法で認知症を予防するという方法があります。この方法は多くの科学的エビデンスに基づいており認知症の発症率を29%低減する(※1)、1度やると効果が10年継続(※2)、認知機能が3~4年若返る(※3)という研究もあります。この「脳知覚トレーニング」とは有効視野を広げるトレーニングです。

有効視野とは適切に対処できる視覚の範囲を言います。例えば運転中、目の端にうつる歩行者を認識しながらブレーキを踏む能力も有効視野です。そのため有効視野が良くなると交通事故率が50%減少するという研究もあります(※4)。

では、なぜ有効視野が良くなると認知機能が良くなるのでしょうか?

健康な65歳から89歳の高齢者256人を対象とした研究によると、トレーニングによって有効視野を訓練した人はそうでない人に比べ前頭葉・側頭葉・頭頂葉など広範な脳全体が活性化していることがわかりました(※5)。

私たちの脳は常に多くの情報を処理しています。そして、その情報の多くは目から入ってきています。したがって有効視野が広い人と狭い人では同じ経験や物事から得られる情報に大きな差があるのです。そしてこの有効視野は加齢により狭くなります。

若い人と同じものを見ていても、そこから得ている情報量が極端に狭くなります。また、有効視野が広くなるとまっすぐ前を見ながら周辺に意識を向ける「分散的」な脳の使い方も鍛えられます。ただ大量の情報を得られるようになるだけではなく、脳を効率的に使う力も身につくのです。

よく「あの人は視野が広い」と言います。これはただの例えではなく有効視野が広くなると今まで気づかなかった町の変化や世の中のニュース、自然の彩りが目に飛び込んでくるようになります。そうすると心も広くなり物事を色々な視点からとらえられるようになります。この「視野の広さ」こそいつまでも若々しい脳でいるための秘訣と言えるでしょう。では大変な方法かというとそんなことはありません。1日3分で簡単にできるので実際にやってみましょう。

実際に「脳知覚トレーニング」をやってみましょう

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