1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

無意識に行動を操られる「ダークパターン」の危険 「妨害」「こっそり」など知るべき7つの悪質手口

東洋経済オンライン / 2024年3月13日 8時0分


「こっそり」:定期購入が条件であることを隠して商品を格安で販売したり、商品価格を格安で表示する分、送料を異様に高額に設定したりする、など。


「社会的証明」:「○人がこのページを見ています」「お客様の声」など。閲覧者数を誇張したり、架空の意見を掲載したりする行為は当然許されないが、OECDは、たとえ情報が事実であっても誤解を招くものは使うべきではないとしている。


「緊急性」:セール終了までの時間を表示するカウントダウンタイマー、など。ユーザーにプレッシャーをかけることを目的とし、カウントダウンは虚偽であることも少なくない。

——大手企業をはじめ、ダークパターンが導入されている例は散見されますが、世界各国ではどのような対応・規制が行われていますか。国内外の法整備の状況を教えてください。

比較的厳しい法規制の例として、アメリカ・カリフォルニア州のケースがあります。個人情報取得の確認であらかじめ「情報提供を承認する」が選択されていて、拒否するにはユーザー自身がチェックを外さなければならないものや、チェックボックスの文言を二重否定の長文にしたりして判断を難しくさせることなどを禁じています。

日本も消費者庁や総務省が取り組みを進めており、日本の対応が特別遅れているわけではありません。ただし、詐欺的なものを除いてダークパターンそのものに違法性はないため、国内外を問わず取り締まりが難しく、いたちごっこが続いています。

多くの企業が意図せずダークパターンを作っている

——なぜ、ダークパターンは生まれてしまうのでしょうか?

実は、意図的なケースと、そうでないケースとがあります。例えば、定期購入であることを隠して格安価格で健康食品を販売するのは「こっそり」に当てはまり、意図的なものです。

ただし、ほとんどの事業者は積極的にユーザーをだまそうとしているわけではありません。「会員登録数を増やしたい」「購入率を高めたい」という目的のためにUIを試行錯誤した結果、意図せずダークパターンになってしまうことが多いのです。

UI改善の検証で用いられるA/Bテストでは、AIによるクリエイティブの自動生成も進んでおり、より効果的なデザインを残すサイクルを回すうちにダークパターンばかりが残ってしまうこともあります。

——企業がこうしたデザインを作らないように留意すべきことは何でしょうか。

実は原因となりうるのが、ビジネスのゴール設定、つまり「KPI」です。このことを、事業責任者はしっかり認識しなければなりません。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください