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株高の追い風で「明るい世代」は"多数派"になるか 「貯蓄から投資へ」の先に「投資も消費も」

東洋経済オンライン / 2024年3月13日 7時40分

若者世代に株取引は身近に(写真 : Graphs / PIXTA)

2013年の新語・流行語大賞にノミネートされた「さとり世代」は、現在20~35歳程度の若者である。

【グラフ】日経平均株価の生涯リターン、高齢者と若者のどちらに軍配が上がるか

Wikipediaによると、「生誕と前後してバブル崩壊し、不況下の日本しか知らない」「特徴は『欲がない』『恋愛に興味がない』『車に興味がない』『旅行に行かない』といったことなどが典型例として指摘される。休日は自宅で過ごしていることが多く、『無駄遣いをしない』し『気の合わない人とは付き合わない』傾向が強い」とされている。

2013年当時、「さとり世代の消費は特に弱そうだ」という議論があった。2013年は日銀の異次元緩和によって株価が上昇したとはいえ、日経平均株価は1万5000円と、バブル崩壊前と比べれば低迷が続いており、経済の低迷が「さとり世代」を生み、さらに経済が低迷するという負のスパイラルが指摘されていた。

当時から約10年が経った今年、日経平均株価は34年ぶりに最高値を更新した。今後、「さとり世代」とは逆の明るい世代が増えてくるかどうかが重要だろう。

20歳以下のほうが高齢者より生涯リターンが高い

株価が上昇したことで、「生涯で株価が下落」という世代は理論上いなくなった。年齢ごとの日経平均株価の生涯リターン(生まれた年から直近までのリターンの年平均)をみると、20歳以下の生涯リターンは高度経済成長期を経験した高齢者よりも高くなっている。

金融危機後の低水準の株価からの上昇だけを経験した若者は、株価は右上がりが当然である、と感じているだろう。

なお、学生時リターン(13歳から22歳までのリターンの年平均)を比較すると高齢者に軍配が上がるが、最近の若者のリターンも悪くない。

今後を想定すると、当面は「明るい若者世代」が増加すると同時に、「明るい高齢世代」が減少してしまうことが予想され、すぐに雰囲気が変わることはないかもしれない。しかし、徐々に筆者を含む現アラフォー世代の比率が下がってくれば、明るい世代の比率が相対的に高まってくるかもしれない。

株価低迷の負の経験が長い40、50代

元エコノミストで独自の分析も多い日銀の高田創審議委員は、2月29日に行った講演で、デフレマインドの「ノルム」について説明した。結論は「慎重化した状況からの転換・上昇には、当初の想定をはるかに超える時間を要するという解釈もできる」とし、かなり慎重な印象を与えた。

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