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広告会社が「苦境UUUM」の買収に見いだした価値 親会社フリークアウトとUUUMの両社長に直撃

東洋経済オンライン / 2024年3月13日 7時20分

――ただ、直近のUUUMの業績推移を見ると、ショート動画の普及で柱のアドセンス収入は低下しています(詳細はこちら)。

UUUM 梅景匡之社長(以下、梅景)  UUUMのクリエイターの収益を見ていると、必ずしも下がっていなかった。チャンネルによっては広告単価が上がっているものも多くある。

ショート動画が逆風ということもまったくないと思う。長尺コンテンツの再生回数は減っているが、視聴時間には大きな変化はない。またショート動画ではノンバーバル(言葉を発さない)コンテンツのほうが海外でウケたりするので、まったく別の視点でショート動画を捉えている。

――フリークアウトの広告ビジネスとは、どんなシナジーを見込んでいるのでしょうか。

本田 インフルエンサーマーケティングの世界では現状、買い手(広告主)と売り手(インフルエンサー)をスムーズにつなげられていない。われわれがテクノロジーを活用することで、それを実現するシステムを作っていきたい。

フリークアウトとUUUMの事業領域には重複部分もある。広告のセルサイド(媒体側)とバイサイド(広告主側)で、得意な方面に特化していくべきだと思っている。UUUMは強みであるセルサイドのクリエイターマネジメント、フリークアウトはバイサイド向けにそれぞれ集中させていく。

エンジニアが会社の主役になる

――シナジーを出していくうえで、UUUM側の経営課題は?

本田 UUUM社内のエンジニアのチームだ。バイサイドとセルサイドをつなげようにも、同じレベルのチームがなければ成り立たない。チームをゼロから立て直すつもりで、フリークアウトからCTO(最高技術責任者)クラスの人材を出向させてトップに据え、新しいチームを作っている。

フリークアウトでは、文言やキーワードで動画内のデータを解析し、広告主が広告を出すうえでどの動画がいいのか、悪いのかを分析できる技術を持っている。

これは、クリエイター側にも活用できる。例えば、より詳細なデータを取ることで、動画内のどのタイミングで、どんな発言を入れたら広告効果を高められるかなどがわかるはずだ。

そのようなプロダクトは誰かがオーダーするのではなく、エンジニアが主体的に作るもの。これからの主役になるのはエンジニアチームだという気持ちを持ってもらう必要がある。

梅景 UUUMとしても、アドセンス収入を自分たちの手でコントロールしにくいという課題があった。動画のタイトルやサムネイル、コメントの1つが違うだけで、視聴回数や視聴時間、広告単価も大きく変わってくるが、今後はある程度コントロール可能になる。

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