事故率が激減したタクシー会社が社員に"した事" 好感度UPも狙える「プライミング効果」を解説
東洋経済オンライン / 2024年3月14日 18時0分
「認知バイアス」という言葉をご存じでしょうか?
ある特定の状況下で起こる認知の「偏り」や「歪み」によって、脳の判断にバイアスがかかってしまうことをいいます。それにより、判断を誤って失敗することも……。
そんな「認知バイアス」の罠にはまることなく、上手に活用するスキルをご紹介したのが神岡真司著『脳のクセを徹底活用!「認知バイアス」最強心理スキル45』。本書より、ビジネスや日常で使える「認知バイアス」の活用法を、3回に分けてご紹介します。
自分の価値を向上させる
■プライミング効果
【イラスト】「福神漬け」と「らっきょう」はダイエットの敵、といえる訳
人は過去の経験則によって、何事も冷静に判断し、行動しているように思いがちです。しかし、実際は行動する直前に見たり、聞いたりしたことによって、その後の行動にかなり大きな影響が及ぶことが知られています。
これが、「プライミング効果」という認知バイアスなのです。プライミングとは、点火薬、起爆剤、呼び水を表しています。
テレビを観ていて急に「寄せ鍋が食べたくなった」「かき氷が欲しくなった」「ビールが飲みたくなった」――などの経験は、誰にでもあるはずです。
おそらく、吹雪のなか凍えそうに歩く人の姿や、あるいは夏の日照りの下で汗だくで働く人の姿――といったテレビの映像と関連して起きてきた現象でしょう。先行する刺激「吹雪で凍えそうな状況(プライマー)」が、後続する刺激「熱々の寄せ鍋を食べたい(ターゲット)」を生み出した認知バイアスです。
この効果を利用して、安全運転の向上を図ったタクシー会社の事例もあります。毎週1回程度、悲惨な交通事故映像を乗車前のドライバーに見せていたところ、事故率が激減したというのです。
霊験あらたかな効能といえるでしょう。
「すごい人」と思われるテク
ここはもう、「すごい人」と思われるようになるための「プライミング効果」の使い方も、併せて覚えておいてほしいところです。
職場の上司からレポートを依頼される時、「いつまでに仕上げればよろしいでしょうか?」などと、締め切りだけを尋ねて仕事にかかる人は多いものです。しかし、これでは依頼の受け方からして不適切です。
「何か留意点などありますでしょうか?」とあえて上司に尋ね、上司から「そうだね、前年比との比較がよくわかるようにしてほしいな」などの指摘をもらっておくことが大事です。上司の記憶にも、その指摘が刻まれるからです。
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