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IT企業から独立したエンジニアに起きた「悲劇」 フリーランスには様々なリスクがつきまとう

東洋経済オンライン / 2024年3月14日 13時30分

■不慮の事故や病気で仕事ができなくなったとき

定年を迎える前であっても、不慮の事故や病気で仕事を続けることができなくなることはあります。サラリーマンであれば傷病手当金の支給もあるでしょうし、勤務中のけがや疾病で一定の基準を満たせば「公傷病休暇」が認められ、休業中の収入なども補償されますが、フリーランスの場合、基本的にこうした補償制度はありません。

仕事を休んでしまえばとたんに収入がなくなりますし、しばらく休んでから仕事を再開したとしても、今までやっていた仕事にそのまま復帰できるとも限らないのです。

これはフリーランスにとって大きなリスクになります。

■取引先倒産のリスク

取引先数が1社という場合も少なくありません。しかし、その頼みの綱が倒産した場合、共倒れとなるリスクがあります。

■従業員退職のリスク

店をやっていたり、会社経営で人を雇っている場合、意外と深刻な影響を及ぼすのが、有能な従業員の突然の退職です。または病気や怪我での突然の長期欠勤。一時的に経営者や他の人がバックアップできるように、経営者や幹部は最低限の現場の仕事を忘れないようにする必要があります。

■災害のリスク

これはある意味で避けようがありませんが、警備保障会社を活用するとか、常に備蓄をするとか、できることはしておく必要があります。

■健康のリスク

長く安定的に仕事を続けていくために何よりも大切なのは健康です。フリーランスは、自分で仕事を獲得する必要があるので、体調を崩すとダイレクトに収入の低下につながってしまいます。会社員のような有給休暇もないので、自分自身でしっかりと健康管理をすることが大事です。また、これも「もし健康を害してしまった場合にどうするか?」という対策を考えておくことも必要です。

生命保険や傷害保険を整えておくとか、業務を分散しておくとか、重要な事項は記録簿を作っておくなどをしておくことも大事です。私自身は仮に自分が3カ月入院しても業務が停滞しないように同業者との連携や従業員への一部権限移譲や、緊急時の連絡先を整えておくなど、仕組みを考えています。

お金を増やすために日々行動することが重要

いずれにしてもこれらのリスクが生じてもなんとか事業が続けられるカギは「潤沢に現金預金をもつ」ことです。いうまでもなく、事業というのは資金さえあれば赤字だろうが開店休業だろうが続けられます。

近年の大災害やコロナ禍の明暗を分けたのも、「使える資金がどれだけ確保できていたか?」でした。何をおいてもお金が重要になってきます。

サラリーマンを辞める前に、まずは、そのような余裕資金を蓄えられているか、考えておくことが重要だと思います。

前述した通り、フリーランスや個人事業主の方の現状は厳しいことがあるのは確かですが、それでもそこで身につく「自己実現」「仕事を通じて身につく知識や経験」「自分ひとりで生きていく術」は会社員をやっているだけでは得られないことです。

しっかりとどのように生きたいか? 働きたいか?を考えて、そのうえでフリーランスという働き方を選べるのであれば、より充実した未来が待っているのではないでしょうか。

廣岡 実:税理士法人TOTAL神田事務所所長・税理士

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