親子の会話は「子9割:親1割」がちょうどいい訳 コミュニケーション力が育ち「自分で決められる子」に
東洋経済オンライン / 2024年3月15日 7時30分
この研究によると、1〜2歳の間に親から肯定的な言葉でたくさん話しかけられた子どもは、そうでない子よりも3歳になったときに覚えている語彙の数がおよそ2倍あるそうです(現在も研究は継続中)。
また、子どもに肯定的な言葉かけをしながら育児を行っていた場合、そうでなかった場合と比較して、学童期(6〜12歳)以降の子どもの学力がアップしているという研究もあり、同様の結果が日本国内でも確認されています。
「汚いから触っちゃダメ」「危ないから登らないで」「時間がないからそんなこと言わないで」など、子どもと過ごしていると「子どもの行動を制限する言葉」を口にせざるを得ない場面もありますよね(私もよくあります涙)。
本当に危険な場合は止める必要がありますが、こうした言葉をかけられ続けると、子どもはコミュニケーション力を伸ばす機会を失い、やがて自分で感じたり、考えたりすることをしなくなってしまうのです。これでは「自分で決められる子」にはなれません。
それでは、どのような親子のコミュニケーションを使って子どものコミュニケーション力を伸ばしていけばいいのか。そのポイントを見ていきましょう。
命運は「親の聞き方」にかかっていた
「今日ね、お砂場でこうすけ君がね、みんなで作ったお城をね、壊しちゃってね、ゆりこちゃんがね、『えーんえーん』ってなっちゃったんだ。でね、みんなも一緒にね、『えーんえーん』ってしちゃったんだよ」
幼稚園から帰ってきた子どもが、今日の出来事を話してくれました。こういうとき、あなたはどうやって子どもの話を聞きますか?
「それはこうすけ君が良くないよ!」「砂のお城はどうなったの?」「先生はなんて言っていたの?」など、こんなふうにいろいろと聞きたくなってしまいませんか?
人の話をしっかり聞くのは大変ですよね。特に子どもは要点を整理して筋道を立てて話す能力が未発達ですから、仕事や家事に忙しい私たち親にとっては、途方もなく長い時間に感じられてしまいます。
でも、「親が話をしっかり聞くこと」が、子どものコミュニケーション力を伸ばすために一番必要な方法だと知ったらどうでしょうか?
親がたった数分手を止めて、子どもの話を聞くことに徹する。この時間が子どもにとっては、「自分の話をしっかり受け止めてくれている」と感じられるとても大切な時間になります。
子どもは受け止めてもらえることの安心感と信頼感から、他者を受け入れる姿勢を自然と手に入れます。これによって、将来のコミュニケーション力の土台が形成されるのです。
親子の会話原則は「子ども9:親1」
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