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意外と知らない「教育委員会」どんな仕事なのか 学校への支援、民間企業との付き合い方など

東洋経済オンライン / 2024年3月15日 8時20分

地域の教育委員会の仕事は、各学校の指導内容を法的根拠に従って指導することです。一般的にイメージされる、管理的だったり監視したりする組織という側面もたしかにあります。

問題があれば放置せずに、校長をトップとする学校を適切に指導することが必要です。それによって子どもたちや保護者たちを守ることが、教育委員会の役割です。

教育委員会が秘めた可能性

「指導」の側面の他にもうひとつ、教育委員会の大事な仕事としては、学校への「支援」という側面があります。

困っている学校に対して、教育委員会が有用な支援をする。僕はこの「支援」という役割に大いに注目しました。

例えば新宿区教育委員会で指導課長をしていた時、毎年新年度になると課の全職員を集めて研修を行っていました。最も強調したのは「教育委員会は誰のために仕事をするのか」ということです。

原点を見つめると、「教育委員会は生徒、そして保護者、地域のために仕事をする組織で良い学校をつくる仕事です」ということになります。

部下たちに対しても必要に応じて、「指導」と「支援」のスイッチを切り替えましょうと僕は繰り返してきました。

何かを実施するとそれが前例になります。僕の経験を通しての偏見ですが、役所は基本的に前例を作りたがらないように感じます。

しばしば「文書に規定されていないし、前例がないからそれは無理です」という言葉が役所の中で聞かれます。役所は文書主義なので「こういう支援ができます」と文書で規定されていますが、曖昧な部分の判断については前例に委ねられてしまうわけです。

ということは、文書に書かれていることの最大限を読み取ればいいのです。

「学校を支援するために、ここまでやっていいですよ、と読み取れるものについては最大限の支援をしてください。もし、学校を支援するために法的な根拠を踏まえた規定が不十分だとすれば、できないと諦めるのではなく規定そのものを修正する手続きを取ればいいのです」と部下に指示しました。

裁量が利く余地はたくさんあります。法的な整備を含め、時には条例を変えるという大きな調整が必要なこともあるでしょうし、たかだか要綱を変えるだけで支援の幅がぐっと広がるケースもあります。

民間企業との付き合い方

限界があると同時にまだまだやれることはある。僕は教育委員会でできる限りの支援をしたいと考え、実際にその方法を探りました。

一例として、僕が新宿区教育委員会の「学校情報化」担当チーム統括指導主事として取り組んだ支援の仕事についてお話ししたいと思います。

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