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現代人は「ネガティブな感情が湧きやすい」なぜ 湧いてきた感情を「再評価」すると楽になる

東洋経済オンライン / 2024年3月15日 16時0分

この恐怖や不安という感情に脳幹が反応し、呼吸を荒くしたり、心臓の鼓動を速めたりして、瞬時に「闘争か、逃走か」という体勢をとります。つまり感情は、思考によって悠長に判断している暇がないその場の状況を、「怖い!(危険だ!)」と瞬間的に判断(評価)しているわけです。

基本的に、自身の生命や生殖が脅かされるときにはネガティブな感情が、その逆の場合にはポジティブな感情が引き起こされます。つまり、感情は私たちの命を守るために瞬時に状況を判断してくれる、すぐれた機能なわけです。

でも実際には、私たちは〝感情に振り回される〞という経験を頻繁にします。なぜ、感情が私たちにとって好ましくない働きをしてしまうのでしょうか。

「山でクマに遭遇する」

「恐怖という感情がわく」

「逃げる」

という判断は、100人いれば100人がそうする明快なものです。しかし、現代社会においては、大昔のように肉食獣に襲われるといった生存危機は、日常生活上でほとんど起こりません。

ここに、私たちが感情に振り回されて苦しんだり、感情を持てあましたりする一因があります。いまの社会では、生存にかかわる危機に遭遇することはほとんどないのに、感情は、狩猟採集をして洞窟に住んでいた時代と同じように「短期的に生存・生殖にとって好ましいかどうか」を評価してしまうのです。

つまり、一生懸命、生命の危機を回避しようとして、ネガティブな感情が引き起こされているわけです。

嫌な上司と遭遇した時の感情に「注目」

ここでまた、現実の世界に戻って考えてみましょう。

たとえば、あなたが会社で苦手な上司と顔を合わせたときに、「怖い」「嫌だな」と感じたとします。それがあなたの命を脅かす状況であれば、感情によるとっさの判断で「闘争か、逃走か」を選択すべきですが、多くの場合、きっとそうではないと思います。

その場合、自分に湧いてきた感情が、いまの自分の状況に対して本当に間違っていないか、一度立ち止まって考え直してみたほうが懸命です。

自分と相手との関係性、それぞれが置かれている状況、自分が生きるうえで何を大切にしているか、自分が感じた感情にはどんな背景があるのか……。さまざまな角度から考え直してみたとき、「そこまで気にすることはない」「相手の問題だから私には関係ない」とラクになれることもあるでしょうし、「相手に直接訴えて、この状況を改善しよう」と、「闘争か、逃走か」ではなく「働きかける」という第3の選択肢を選ぶことができるかもしれません。

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