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現代人は「ネガティブな感情が湧きやすい」なぜ 湧いてきた感情を「再評価」すると楽になる

東洋経済オンライン / 2024年3月15日 16時0分

こうした一連のプロセスは、脳神経科学の分野で「再評価」といって注目を集め始めています。ある状況に対して感情がとっさに下した最初の評価(primary appraisal)に対して、それが本当に正しいものだったのかどうか、一度立ち止まって再評価(re-appraisal)する、ということです。

ごく簡単にその手順を紹介すると、

ステップ1 自分の感情に気づく

ステップ2 感情を言葉にする

ステップ3 感情の背景を分析する

ステップ4 行動する

といった流れになります。

たとえば、あなたが孤独や不安を感じていて、それに苦しんでいるとします。たしかに、人間は群れで社会をつくる生き物なので、はるか昔の時代であれば、群れから外れることや、群れのリーダーから嫌われることは、自分の生命の危機に直結しました。そのため、強い孤独や不安という感情が湧き、私たちに行動を促したわけです。

ですが、いま自分を取り巻くコミュニティーにおいて、そこから離れることが本当にあなたにとって致命的なものなのか、そのリーダーから嫌われることで本当に多くのものを失うのか、あるいはその人は本当にリーダーなのか、あらゆる方向から再評価してみてください。

ここまで紹介してきた「再評価」は、言うが易しで、暮らしの中で実際にやってみようとすると、けっこう難しく感じると思います。それでも、少しずつ慣れていくことで、日々のストレスに対して上手に向き合っていけるようになるはずです。

再評価は「第3の選択肢」を提示してくれる

最後に補足を。

感情に任せて「闘争か、逃走か」という行動をとってしまいそうなときに、再評価は第3の選択肢を示してくれる有用な手段です。ですが、立ち止まって考え直してみて、「それでもここは怒っていいところだ」と感じたのであれば、そのときはもちろん怒ってください。

再評価は、あなたの正当な怒りを抑え込むためのプロセスではないということを、覚えておいてほしいと思います。

そう難しく考える必要はありません。要は、「どう捉えるか」ということ。 まずは、自身の感情に気づき、じっと見つめ直し、客観的にモニターしてみることから始まります。ネガティブな感情がわいてきたら、それは再評価のチャンス。そんなふうに捉えてみてください。

内田 舞:小児精神科医、ハーバード大学医学部准教授、マサチューセッツ総合病院小児うつ病センター長

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