1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

衰退の危機「喜多方ラーメン」復活を狙う男の正体 3000円ラーメンに苦情殺到も…町の再生に奔走

東洋経済オンライン / 2024年3月15日 11時50分

衰退の危機にある喜多方ラーメンの復活に向けて奮闘している、江花さんは何者なのか。ラーメン愛にあふれた人生を伺った(筆者撮影)

札幌、博多に並ぶ「三大ご当地ラーメン」の1つとして知られる、福島県喜多方市の喜多方ラーメン。

【写真で見る】こちらが「3000円ラーメン」

そんな喜多方で、インバウンド向けの「3000円ラーメン」が登場。

昨今のニセコの盛り上がりもあり、ネット上では「海外客を相手に、楽して儲けようとしているのでは?」といった声が寄せられているが、現地で取材してみると、背景には喜多方ラーメンの衰退があり、今回の「3000円ラーメン」は地元のさまざまな事業者を巻き込んだ、真面目な打開策だったこと……を前回の記事ではご紹介した。

関連記事:インバウンド向け「3000円」喜多方ラーメンの真相

そんな「3000円ラーメン」の中心人物が、「あじ庵食堂」店主の江花秀安さんだ。

勘違いした人たちから、毎日のように嫌がらせの電話も入っていると言うが、それも織り込み済みだと言う。

衰退の危機にある喜多方ラーメンの、復活に向けて奮闘している、江花さんは何者なのか。ラーメン愛にあふれた人生を伺った。

客が来ない日々…老舗の大将たちが声をかけてくれた

「あじ庵食堂」は2008年8月8日にオープンした喜多方ラーメンのお店としては新しめの人気店だ。

店主の江花秀安さんは喜多方市出身で、会津若松にある洋食居酒屋でアルバイトをしていた。25歳のときに東京に社員旅行で来たときに、中野にある「中華そば 青葉」のラーメンを食べて衝撃を受ける。

昔から食べてきた喜多方ラーメンに似ているという感覚を受け、もう一度地元の喜多方ラーメンをひととおり食べ歩いてみることにした。ここから江花さんはラーメンの世界にのめり込んでいく。

ある日、コンビニで一冊の本に出会う。香川県にあるラーメン学校「大和麺学校」の校長・藤井薫さんの書いた本だった。この本を読んでラーメンを学んでみたくなり、江花さんは大和麺学校へ通うことになる。ここでラーメン作りのノウハウを学び、職人として歩み始める。

地元に戻り、ラーメン店で修業することも考えたが、自分の味で店を出したいという思いが強く、思い切って店をオープンすることにした。老舗の名店「上海」の隣の物件で、カウンター7席のみの小さなお店だった。

試食会をして知り合いに食べに来てもらったが、

「こんなものは喜多方ラーメンではない」

と口々に言われた。

麺学校で教えてもらった通りに作ると、スープがきれいになりすぎてしまい、喜多方ラーメンのじんわりとした旨味が出ないのである。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください