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「すぐやる」組織がはまりがちな思考停止の罠 実行することばかり重視するチームの危うさ

東洋経済オンライン / 2024年3月16日 10時0分

上司からの命令をひたすら実行することに疲れ、思考停止になった経験はないでしょうか(写真:mits/PIXTA)

あなたは、上司からの命令をひたすら実行することに疲れたことはないだろうか。

その原因の1つとして、組織が「思考」と「行動」のモードをうまく切り替えられないことがあると、米海軍の原子力潜水艦「サンタフェ」の元艦長、マルケ氏は述べる。

「実行」と「思考」をバランスさせるにはどうしたらいいのか。マルケ氏の近著『最後は言い方』より紹介しよう。

ビジネスで、考える、あるいは決断を下すとき、バリエーション(多様性やばらつき)は味方となる。バリエーションが広がるほど、イノベーションや創造性、選択肢の幅が広がるからだ。

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バリエーションを歓迎する言い方

私たちはよく次のような言い方をする。

●ブレーンストーミングでは、さまざまなアイデアができるだけたくさん出てほしい。

●意思決定を行うときは、幅広い選択肢があってほしい。

●真実を見極めるために、異なる視点を知りたい。

ここからも、バリエーションが思考にメリットをもたらすと私たちが考えていることがわかるだろう。

仕事を進めるには、思考と行動のどちらかだけでは不十分だ。

どちらも適切な量を行う必要がある。そのバランスを見つけて、両方を効果的に行うために、チームとして意図的に仕事のやり方を変える必要がある。

行動から思考へ、思考から行動へと、意識して仕事のモードを切り替えるのだ。

私が艦長を務めていた潜水艦では、バリエーションを歓迎する思考の時間を設けていた。この時間は多種多様な意見が歓迎され、こんな質問が飛び交った。

◆「みんなはどう思うか」

◆「準備はどの程度できているか」

◆「別の見方はできないか」

そして、行動に移す準備ができたと上官が判断したら、思考モードから行動モードに切り替える。

行動に移すと決まったら、バリエーションは敬遠され、正確さが求められる。ここでは、決まった手順に従うのだ。

行動に取り組んでいるときは、できるだけ定められたとおりにやることが望ましい。

魚雷の装填を例に考えてみる

魚雷の装填を例にあげよう。魚雷は1本ずつまったく同じように装填されるのが常だった。肉体的にはきつい仕事だ。

しかし、どの魚雷をどの発射管にいつ装填するかを決めることに比べれば、頭脳労働はあまり必要とされない。

魚雷の装填といった作業の実施には、必然性や達成感が生まれる。そのため、こうした作業に人はのめり込みやすい。「やり遂げた」ことで生まれる高揚感に丸め込まれてしまうのだ。

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