1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

北陸新幹線、敦賀延伸開業が生む「直通と分断」 福井県が東京と直結、関西へは乗り換え必須

東洋経済オンライン / 2024年3月16日 8時20分

北陸地方は関西との結びつきが強く、新幹線開業による乗り継ぎの不便さを懸念する声は少なくない。越前市内を走るタクシードライバーの男性は「首都圏から便利になるのはいいが、観光客は関西からの人が多く、乗り換えで敬遠されないかが心配。せめて敦賀より先に(新幹線が)延びるまでは在来線特急を残してほしかった」。開業前の越前たけふ駅を見物に来ていた市内の60代女性も、新幹線への関心は高いものの「やっぱり特急がなくなるのが残念。関西のほうがつながりは強いから」と、関西方面との「分断」を不安視する。

「敦賀から先」はいつになるのか

だが、敦賀から大阪方面への延伸はまだ先が見えない。2016年、与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチームは延伸ルートについて、福井県小浜市付近と京都駅を経由する「小浜・京都ルート」の採用を決定した。だが、環境影響評価(アセスメント)の遅れで、着工時期は見通せない。同ルートは大半がトンネルとなることから、京都府内では環境への影響などを懸念する声も強い。かつて候補となっていた、米原経由のルートを求める意見も浮上している。

今回の敦賀延伸開業で、新潟・富山・石川・福井の北陸4県がついに新幹線でつながった。冬の降雪にも強い新幹線は、首都圏と北陸地方を短時間で結びつけるだけでなく、域内の移動を改善する効果も期待される。新幹線延伸開業によって北陸地方が注目を集めることで、能登半島地震の復興支援にも貢献しそうだ。

一方で、これまで直結していた関西方面とは最低1回の乗り換えが必要となり、現時点ではいつまで続くかも見通せない。北陸新幹線の延伸区間は必ずしも「快走」とは言い切れないスタートを切った。

小佐野 景寿:東洋経済 記者

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください