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プラゴミの"ダイエット"ができないジレンマ 環境問題に意識が高くても行動を伴うのは困難

東洋経済オンライン / 2024年3月17日 11時0分

プラゴミ削減は地球環境に配慮した行動の一例だが、他にも生活周りでできることはたくさんある。

環境省によると、衣食住、移動、レジャーなど個人の活動から排出される温暖化ガスは消費ベースで6割を占める。他方、個人が「何をしたら良いのかわからない」といった疑問に答えるために同省は「ゼロカーボンアクション30」を公表している。

中には、「エアコンの使用時間の短縮」や「宅配便を1回で受け取る」といった比較的容易にできる事もある。こうした行動は、CO2削減の効果が小さいものの、大勢が意識して行動すれば、「雨垂れ石を穿(うが)つ」効果が期待できる。

アメリカ・エネルギー省は、家電製品の電源をオフにしてもコンセントから電力をいつの間に消費する“妖怪”を「エナジーバンパイア」と呼ぶ。血は吸わないが、電力とお金を吸い、平均的な家庭で年間100〜200ドル相当の費用がかかる可能性があるとしている。

日本でも環境省は、家庭の年間電力消費量のうち待機電力による電力消費が約6%に上ると試算。これは、テレビの消費電力量とほぼ同じで、決して小さくはない。未使用時にエアコンなどのコンセントを外すことは省エネと節約につながる。

大都市の脱炭素化はハードルが高い

国は2050年までに、二酸化炭素(CO2)などの温暖化ガスの排出量を、森林や海洋による吸収量で相殺し、実質ゼロにするカーボンニュートラル目標を掲げている。ほぼ全国すべての自治体も同様の目標を掲げ、実行段階に移りつつある。

地方自治体の中では、東京都や横浜市のような大都市は再生可能エネルギー資源が乏しいため、脱炭素化目標を達成するハードルは高い。

たとえば人口377万人を抱える横浜市では、エネルギーのほとんどを石油やガスなどの化石燃料に依存している。

これを再生可能エネルギーに置き換えていく必要があるが、市内で創出される見込みの再エネ供給容量は、2050年の推計電力消費量の10%弱と試算されている。

こうした中、全国平均の2倍に迫る家庭から出るCO2排出量をいかに減らすかが課題となっている。

家庭から排出されるCO2は、基準年の2013年度からの8年間で7%しか減っておらず、全体の削減率21%に対する寄与度も1.2ポイントと、廃棄物を除けば最も小さい。

他方、コンビニや事務所などの業務部門、製造業などの産業部門、石油やガスなどのエネルギー転換部門は、家庭部門と比べて削減率や削減寄与度が大きい。

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