"解像度の高い人"が「ハッ」とする意見を言える訳 ほかの人との違いは「抽象化思考力」
東洋経済オンライン / 2024年3月18日 17時0分
さて、いかがでしたか。あなたも、Dさんの話に思わず「ハッ」とさせられたのではないでしょうか。
商品企画部であるからには、商品がより売れるようになるためのアイデア、すなわち「解決策」を提案できないといけません。しかし、反応を見ているとBさん・Cさんにはそれは難しそうです。
なぜなら、Bさん・Cさんはたまたま「情報」を知っていたというだけで、意見そのものはほかの誰にでも言えそうな意見で、思考の幅広さがありません。
Dさんとほかの人との違いは「抽象化思考力」
一方、Dさんの意見はどうでしょうか。ほかの誰もがなかなか至らない、「自分なりの気づき」を持っています。おそらく、ここまでの意見が言える人はそうそういないでしょう。これはまさしく「解像度が高い人」の2つ目の特徴である「ユニークで鋭い洞察を得ている」状態です。
この「誰にでも言える『安易な意見』しか言えない」悩みは「具体化思考力」では解決できません。なぜなら、「具体化」は既存のものを細かく見ることであり、そこから「新たな気づき」にはなかなか至らないからです。
では、どうしたらこの悩みを解決できるのでしょうか。それが「抽象化思考力」です。
抽象化とは「共通点から成功法則を導き出す力」です。
この「抽象化思考」から生み出される成功法則はまさに「物事の本質」ですので、だからこそ新しくかつ納得感のある「鋭い洞察」となり、人を魅了するのです。この「抽象化思考力」はあなたの思考の「画像幅」を広げ、幅広い多様な考えを持つことができるようになります。
「話がいまいち、ピンとこない」と言われる…
そして、「解像度が低い人」の困りごとはもう一つあります。それが「『話がいまいち、ピンとこない』と言われる……」です。こちらも、見ていきましょう。
今回はあなたではなく、第三者の目線から登場人物のやり取りを見てみましょう。
【SCENE3 商談】
・登場人物:クライアント(部長クラス)、Aさん(営業)
・内容:新商品開発の提案
Aさんは営業パーソン。今日はクライアントに新商品開発の提案にやってきました。
顧客:「今日は何か、面白い提案をお持ちいただいたそうですが……」
Aさん:「はい。御社の商品開発の在り方を一変させる提案になると自負しております。一言で申し上げれば、“ストーリー”を売る、ということです」
顧客:「ストーリー?」
Aさん:「はい。御社のユーザーはこれまで、御社の商品“だけ”をご覧になって購入を決められていたと思います。その結果、商品の単価や品質を競合他社と比較検討し、他社商品のほうが優れていればそちらを選ぶことも多かったのではないかと……」
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