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今すぐ「AIに淘汰される上司」の悲しすぎるルーツ 上司の仕事は「情報管理」でなく「目標管理」

東洋経済オンライン / 2024年3月19日 7時50分

つまり、いつの間にかマネジャーの仕事が「目標管理」から「情報管理」に変わってしまうのだ。

そう勘違いすると、マネジャーも都合がいい。自分の存在意義を肯定できるからだ。会議で報告させたり、情報共有することで仕事をした気分になれる。

しかし、デジタル技術の発達とともに、その役割はほとんど不要になった。

世の中には、便利なITツールが星の数ほどある。しかるべきタイミングで、しかるべき情報を入力することで、情報資産が蓄積され、それが組織の問題を解決する重要な手掛かりを見つけてくれたりする。

25年以上前のこと。私が日立製作所にいたころに、営業活動を見える化する「SFA/CRM」の設計開発に携わった。このシステムがあることで、営業マネジャーが、

「現状どう?」

「今期の数字はいきそう?」

と部下の営業たちにヒアリングする必要がなくなるのだ。

日々の営業活動で知り得た情報を正しく蓄積することで、商談のどこに問題があるのか? どのようなお客様に何を提案すれば受注する確率が高まるのか? システムが教えてくれるようになる。

上司の仕事は「情報管理」ではなく「目標管理」

昨今は、進化したAIを実装しているため、これらのシステムは精度の高い売上予測までできるようになった。「目標管理」こそがマネジャーの仕事だと理解している人は、このようなシステムを導入したいと思うし、部下に活用させる「権限」がある。

しかし、これまでやってきた「情報管理」が自分の仕事であり、「情報管理」することで「責任」をまっとうできると誤解しているマネジャーは、このような便利なシステムを使いたがらない。

自分の仕事がなくなるからだ。

これまでは、

「現状どう?」

「今期の数字はいきそう?」

と会議でヒアリングしていればよかった。しかしシステムが導入されると、現状のデータに基づいて、どこに問題があり、どのように問題解決すべきか。「コンセプチュアル」を使って仮説を立てなければならない。

アナログに固執するマネジャーは失望される

部下にとっては、そのほうが断然ありがたいはずだ。とくに、デジタルネイティブの若者は「タイパ」を重んじる。はやく成果を出したいし、はやく成長したいのだ。

だからこそ、便利なデジタル技術を使わず、データを分析することもなく、口頭で確認しようとする上司に対し、強い違和感を覚えるのだ。

「一見ムダのように見えて、実は意味のあること」

などと到底思えず、

「本当にムダなこと」

と、若者の目には映るだろう。

・ムダが多すぎること

・昔のやり方を変えないこと

この2点が部下を失望させる。どこでデジタル技術を使い、どこでアナログのコミュニケーションをするのか。そのメリハリがないマネジャーは、AIによって淘汰されていくに違いない。

新刊『若者に辞められると困るので、強く言えません:マネジャーの心の負担を減らす11のルール 』では、現代の若者にどのように接したらいいのか? ちょうどいいマネジメントのルールを11のテーマに沿って解説した。

ぜひ本書を参考に、若者を正しく導いてもらいたい。

横山 信弘:経営コラムニスト

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