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JR北海道H100形、「旧国鉄色」装飾列車導入の狙い 「個性的な車両」で日高本線と室蘭本線をPR

東洋経済オンライン / 2024年3月19日 6時30分

清水一仁苫小牧駅長の出発合図で発車するH100形日高本線ラッピング車両(筆者撮影)

JR北海道と沿線市町は2月12日、苫小牧駅でH100形日高本線・室蘭本線のラッピング車両を公開した。H100形のラッピング車両はこれまで釧網本線、花咲線、石北本線、富良野線の沿線風景を描いたものが登場しているが、今回は国鉄一般気動車標準色や石炭車セキ3000の外観を取り入れたデザインが話題を呼んでいる。主催者らは地域のアピールと鉄道利用の喚起につなげたい考えだ。

【写真を見る】日高本線ラッピング車両の「H100-85」は胆振の馬と恐竜をデザイン。一方、室蘭本線ラッピング車両の「H100-84」は?

プレ乗車は抽選倍率約4倍、高い注目度

式典は出発式、抽選で選ばれた25名の乗客を乗せてのプレ運行、お披露目見学会の順番で行われた。

出発式には苫小牧市の木村淳副市長、白老町の大塩英男町長、厚真町の西野和博副町長、安平町の及川秀一郎町長、むかわ町の竹中喜之町長、JR北海道の萩原国彦常務取締役が出席。苫小牧市の木村副市長が代表して挨拶したほか、首長と萩原常務取締役も一言ずつコメントした。むかわ町の竹中町長からは「動くPR」という言葉が使われるなど、内容は新たな車両に期待するものがほとんど。集まった乗客の多さを見ても、期待の高さをうかがわせた。

9時15分ごろ、苫小牧駅の1番線ホームにH100形のラッピング車両が入ってきた。プレ運行に使用された日高本線ラッピング車両は国鉄一般気動車標準色をベースに、胆振地域を象徴する馬や恐竜のイラストが描かれている。到着後に記念撮影が行われ、各市町の首長と抽選で選ばれた25人の乗客が車両に乗り込んだ。プレ乗車は苫小牧市が沿線市町在住者や通勤通学者を対象に募集し、市の担当者によると締切日の2月6日までに97人の応募があったという。定員25人の約4倍の応募があったことになり、広報活動は一定の成功を収めたと言える。

9時20分、清水一仁苫小牧駅長の出発合図でプレ運行列車が発車。日高本線鵡川駅まで1往復した。

H100形ラッピング車両は、これまでも石北本線や釧網本線などの沿線風景を描いたデザインの車両が登場している。1両製造するためには約3億円の費用が必要で、これを国(鉄道・運輸機構)と北海道が折半して捻出。北海道高速鉄道開発株式会社が車両を保有し、JR北海道が同社から無償で車両の貸与を受けて運用するという仕組みだ。車体にも北海道高速鉄道開発の銘板が設置されているほか、車内に乗客にこれらのスキームを説明するステッカーが貼付されている。今回登場した車両も同様の仕組みで製造されており、内装はこれまでのラッピング車両と同一。定期運用のほか、イベント開催時などには観光列車としても使用できる。2023年度中に、根室本線および宗谷本線のラッピング車両も登場する予定だ。

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