「過激ダンス」で信頼失墜、自民党青年局の正念場 新局長・鈴木貴子氏が問う「青年局議員の自覚」
東洋経済オンライン / 2024年3月19日 8時0分
(2023年9月の)岸田政権の第2次改造内閣で人事を決定したとき、マスコミは女性の副大臣、政務官がゼロと騒いだ。だが、私が外務副大臣に就任(2021年10月)した際、女性は1人なのにこのときは騒がなかった。ゼロだと騒ぐ。ジェンダーに対するマスコミのリテラシーの欠如も感じる。
自分の立場や次の選挙のためになっていないか
――青年局をどう立て直しますか。
まず青年局とはなんぞやという原点を見つめ直す。歴代局長にそれぞれの思いはあっても、ゆるがない青年局の背骨があるはず。
青年局が党執行部に物申す集団であることは間違いのないアイデンティティだが、その根源には党への忠誠と愛党心、日本の行く末を思う愛国心が前提にあるはず。だからこそ、執行部も聞く耳を持つ。
しかし今、若い議員の発信は、自分の立場や次の選挙をにらんだショーアップ、批判のための批判になってはいないか。青年局は本来、自己研鑽の場であり行動する組織だ。自民党を通じて日本を良くしたい、自民党が変われば日本が良くなるという思いを持って行動するべきだ。
――鈴木さんは具体的にどう行動しますか。
党改革から能登半島地震の被災地支援、各レベルの選挙で仲間を当選させるための活動など、行動すべきことはたくさんある。何を言うかではなく、まず行動したいと思っている。
藤原前局長時代に(裏金問題で批判を集めている)安部派5人衆に直接、事実関係を明らかにするよう促しに行くことも議論したが、自分が今、やりたいのはそういうことではない。執行部などは対峙する相手であって意見具申もするが、マスコミの論調に引っ張られてただ執行部を突き上げるだけが青年局ではない。
自分の職責として、まず変えなければならないのは青年局のほうだ。青年局のメンバー1人ひとりの自覚を促したい。
娘から「お母さんのお腹に帰りたい」と言われた
――自覚とはどういうことですか。
愛党心、愛国心については述べたが、それに加えて青年局の議員としての誇り、組織への愛情を持つということだ。
余談だが、わたしが外務副大臣のとき、駐日ウクライナ大使と林芳正外相(現官房長官)との面会を阻止したと事実無根の話で週刊誌にたたかれた。
そのとき、家庭に帰ってもあちこちに電話せざるを得ず、当時4歳の娘に「お母さんのお腹に帰りたい」と言われてしまった。ショックだった。そこで母親として何があっても絶対に娘を守っていくと、改めて自覚した。自覚とはそういうことだ。
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