経験の浅い新人でも「武器」を持てる納得の方法 気の利いた言葉より強い説得力を持つものとは
東洋経済オンライン / 2024年3月20日 18時0分
ビジネスコンサルタント・作家の大石哲之氏によるロングセラー『コンサル一年目が学ぶこと』から一部を抜粋し、「ビジネスの基礎」となるスキルを紹介しています。今回は「数字というファクトで語る」がテーマです。
「数字でものを言う」が効果的な理由
コンサルタントは、一年目であっても、年上で経験も豊富なクライアントと話すことが少なくありません。どうしてそんなことができるかというと、ずばり「ファクトで語っているから」です。
【画像で確認】経験のない新入社員でも「武器」にできるものとは?
クライアントの会社で、コンサルティングのプロジェクトのクライアント側の担当者になるような方は、みなそれなりの年齢の人です。さらに責任者は取締役とか部長クラスで、そういう方は、だいたい50歳前後。
実際にわたしが現場でやりとりする課長やリーダーといった人々も、35歳とか40歳で、とにもかくにも、新人のわたしからしたら、はるかに年上の人たちでした。
新人の目標は、そういう年上のクライアントの前に戦力として出してもらい、できれば、1対1でやりとりができるようになることでした。そのために必要となるのが、ファクトです。では、ファクトとは何なのか?
動かしようのない「ファクト」の筆頭である「数字」で語る
ファクトとは、事実のこと。つまり自分の経験談や、気の利いた言葉ではなく、動かしようのない事実をさします。事実の最たるものは「数字」です。数字は誰も動かしようがなく、否定もしようがありません。ですから、数字でものを言うのが、いちばん効果的です。
新人と呼ばれる時期も終わろうとするころ、経験もない一年目のコンサルタントの武器はそれしかない、とわたしは思うようになりました。
仮に、世界共通言語があるとしたら、それは英語ではなく数字です。それも、難しい数字ではなく、売上、出荷の個数、コスト、利益率などの単純な数字です。
わたしは、新人時代に、「営業の効率を上げる」ことをテーマにしたプロジェクトに配属され、そこで、はじめて1対1でクライアントと話す機会を与えられました。そのきっかけになったのが、とある会社の営業社員の行動に関するデータ分析でした。
そもそも、営業社員はどういった顧客を訪れるべきだと思いますか?
もちろん売れている顧客、より正確に言うと、「予算をたくさんもっていて、実際に買おうと考えている顧客」ですね。では、そういう顧客のところに、自社の営業社員はちゃんと足を運んでいるのか?
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