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上司がよく言う「それでいいか?」の隠れた圧力 透けて見える本音「早く決めて先に進めたい」

東洋経済オンライン / 2024年3月20日 10時30分

早く議論を収束させるためにする「言い方」はその意図が透けて見えてしまいます(写真:metamorworks/PIXTA)

「確かか?」「それでいいか?」

部下にこんな尋ね方をする上司は多いのではないだろうか。

しかしこのような、「イエス」「ノー」で回答できる尋ね方は、部下からの多様な回答を引き出すことに失敗する可能性が高くなる。

では代わりに、どのような言い方をするのがいいのか。そのヒントを『最後は言い方』から紹介しよう。

私たちの仕事は、主に意思決定と実行とに分けられる。

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意思決定と実行ではまったく異なる頭の使い方が必要になり、使う言葉の種類も変わる。

考える仕事は青ワーク、実行する仕事は赤ワーク

意思決定と実行、自分がそのどちらの仕事をしているかを判別する呼び名があると便利だ。

そこで、バリエーション(ばらつきや多様性)を歓迎する、考える仕事や意思決定を行う仕事を「青ワーク」と呼ぶことにしよう。

一方、バリエーションを抑える必要のある、実行する仕事を「赤ワーク」と呼ぶことにしよう。

実行に「赤ワーク」と名づけたのは、赤が活力や決意を表す色だからで、思考に「青ワーク」と名づけたのは、青が冷静さや創造性を表す色だからだ。

良い仕事をしたいなら、思考と実行、すなわち青ワークと赤ワークを行き来する必要がある。

もしうまく青ワークに切り替えられたとしても、そこでバリエーションを減らそうとする(青ワークにふさわしくない)言葉が発せられると台無しになる。

必要に応じて赤から青へと仕事のモードを切り替えるには、言葉を変える必要がある。

たとえば尋ね方として、「確かか?」と「どの程度確信がある?」ではどんな違いが出るだろうか。

前者では、回答する側には認知能力はほとんど必要ない。「確かか?」という問いに対しては、「はい」か「いいえ」の二択で回答すればいいからだ。

一方、「どの程度確信がある?」という尋ね方の場合、答える方には、認知能力的にも負担が増えるし、回答の幅も広がる。

「それでいいか?」という言葉の意図とは

では、「それでいいか?」と「見落としていることは何か?」なら、どうだろうか。

「それでいいか?」という質問は、話し合いから決定に導こうとするもので、ものごとを先に進めたい、時間どおりに終わりたいという欲求を満たすものだ。

一方、「見落としていることは何か?」という質問は、作業の遅れを生むかもしれない。時間を無駄にしているような気持ちにさせられる。

赤ワーク(実行)をしているときには、次のような言葉がよく使われる。

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