日本は2国目「ウーバーロボット宅配」期待と不安 時速5.4kmで歩道を走行、人手不足の救世主か
東洋経済オンライン / 2024年3月20日 7時0分
これら課題については「ロボットによる配送サービスはアメリカでも初期段階。テストをしながら改善していきたい」(ウー氏)と改善を見込む。
人手不足解消にはポジティブか
課題はあるが期待する声も多い。
前出のとんかつ檍の吉田店長は「雨天時には配達員の手配に時間がかかり、遠方の配達員を手配することもある。こうした状況だとロボットによる配達は有効」と語る。ウーバーイーツジャパン広報も「季節や時間帯、天候などの条件によっては、加盟店や注文者に対して、稼働できる配達パートナーが少なくなる地域もある」とする。
今回導入されたアメリカCartken社のロボットは、夜間や雨天、軽い雪の際も走行可能だ。さらに「将来的には、配達パートナーが足りていない地域で、デリバリーロボットが配達ネットワークを補完する形で活躍できる可能性もあると考えている」(ウーバーイーツジャパン)と人手不足対策にも目を向ける。
日本での導入にあたっては、三菱電機が2023年に改正された道路交通法に準拠した使用に改良。運用は三菱電機の関連会社メルコモビリティーソリューションズが担当する。ロボットには360度見渡せるカメラを搭載し、オペレーターが常時監視することで、緊急時に出動できるスタッフが待機して対応にあたる。
走行時は歩行者などを感知し、自動で停止や進路変更を行う。一方で信号などの交差点では、あらかじめ一時停止するように設定。交差点を渡るにはオペレーターの許可が必要だ。
将来的には建物内への配達も実施
配達で使われる自律型ロボットを開発したCartken社は、2019年にGoogleのエンジニアらによって設立されたスタートアップ企業。今回使用されるロボット「Mode lC」は、長さ71cm、幅46cm、高さ60cmの機体に、最大27L・20kgの荷物を積載できる。
将来的にはエレベーターなどと連携して、建物の上層部への配達も実施していくという。三菱電機開発本部先進応用開発センター長田中昭二氏は「ビルシステムと連携して、エレベーターを使用した建物内での縦移動もできるように開発している」と話す。
デリバリー需要はコロナ禍の2020年に需要が大きく拡大し、2023年は8603億円が見込まれる(NPDジャパン調べ)。これは2019年と比較して2倍近い水準であり、足元も拡大が続いている。
人手不足が深刻化する中、自律型ロボットは解決策の一助となるのか。デリバリーの普及で街中の配達自転車が増えたように、ロボット配送が街の新たな景色となる日も近いかもしれない。
金子 弘樹:東洋経済 記者
-
- 1
- 2
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
JQA、三菱電機株式会社へ認証書を発行
PR TIMES / 2024年5月15日 15時15分
-
CREW Express、ShopifyのEC事業者向けに即時配送の提供を開始
PR TIMES / 2024年5月14日 12時45分
-
魚民、目利きの銀次、山内農場、千年の宴、白木屋、笑笑などの全国の居酒屋ECサイトで、便利でお得な自社デリバリーサービスを開始!
PR TIMES / 2024年4月30日 12時45分
-
ウーバーイーツ「デリバリーロボット」をガスト日本橋店で 「人が配達」スタイルにどう影響
J-CASTニュース / 2024年4月27日 12時0分
-
ロボット開発の今と未来、三菱電機の担当者に聞いた自動化推進の鍵とは?
マイナビニュース / 2024年4月22日 14時14分
ランキング
-
1日本円の価値崩壊へのカウントダウン…国内全上場企業株「5割」を保有する“大筆頭株主”が打った「危険な一手」の行方に注目【経済のプロが警鐘】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月21日 8時15分
-
2「好きに生きてきた代償だな…」月収〈16万円〉72歳の日雇いバイト、年金〈月1万円未満〉の現実
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月21日 5時15分
-
3NY金先物、最高値更新 中東情勢不安で買い広がる
共同通信 / 2024年5月21日 5時15分
-
4ドライブスルー中古車査定が登場…強みは「スピードと会話の短縮」
レスポンス / 2024年5月20日 19時30分
-
5米レッドロブスターが破産申請=外食チェーン、食べ放題裏目に
時事通信 / 2024年5月20日 22時29分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください