家系なのに「二郎系ラーメン」、タブー破った背景 革命的と話題!箕輪家「まるじろう」誕生の経緯
東洋経済オンライン / 2024年3月20日 12時10分
二郎系ラーメンと横浜家系ラーメン。熱狂的なファンを持つ中毒性の高いラーメンとしては、この2つは双璧ではないかと思う。
三田の「ラーメン二郎 三田本店」を総本山とし、インスパイア系も含めて全国的に広がる二郎系ラーメン。豚骨と肉ダシのスープに極太麺、山盛りの野菜、巨大な豚、さらにニンニクと背脂を加えるのがお決まりだ。
そして横浜の「吉村家」を総本山とする横浜家系ラーメンは、豚骨スープに鶏油を効かせ、太めの平打ち麺を合わせた一杯。チャーシューにほうれん草、ノリ3枚がお決まりだ。
どちらも長い伝統を持ち、強烈なその個性もあり、二郎系と家系が混ざり合うことなどありえないと暗黙のタブーのように考えられてきた。
そんな中、今年の2月から中野にある「家系ラーメン 箕輪家」で二郎系のラーメン「まるじろう」が提供され、SNSを中心に大バズリしている。「うますぎる」「革命的だ」など称賛の声が多数集まり、“家系×二郎”という大きな壁が崩される瞬間がついに訪れたかとラーメン業界で話題になっている。
どのようにして「まるじろう」は誕生したのか。背景を取材した。
満を持して限定ラーメンの開発をスタート
「箕輪家」は2022年11月にオープンした、幻冬舎の書籍編集者でインフルエンサーの箕輪厚介さんがオーナーを務める横浜家系ラーメンのお店だ。今まで奇想天外な企画をたくさん仕掛けて成功をおさめてきた箕輪氏がどんな家系ラーメン店を作るのか注目が集まっていた。
店長は元自衛隊員で、箕輪さんのカバン持ちをしていた丸山紘平さん。高田馬場にある「博多ラーメン でぶちゃん」で修業の後、「箕輪家」をオープンした。
オープンして半年、昨年の春ごろから丸山さんは自分の名前を付けたラーメンを作りたかったという。しかし、まだ家系ラーメンのスープが安定していなかったのでペンディングになっていたが、11月頃からスープが安定的に作れるようになり、今年に入ってから試作を始めることになった。
さらに、今年の2月は雪の日も多く、かなり客足に影響が出て売り上げも低迷していた。「このままではマズイ」と満を持して限定ラーメンの開発をスタートした。
“売れる”ラーメンを作ろうと模索
「箕輪家」の家系スープの旨味をさらに倍増させて。“売れる”ラーメンを作ろうと模索を始めた。
今までは師匠の「でぶちゃん」の甲斐店主や他のラーメン店主に相談をしてきたが、今回だけは自分で進めることにした。
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